”ととのう”って一体何なの?サウナで効率的に”ととのう”方法とは

箱崎かおり
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箱崎かおり理系美容家

第3次サウナブームと言われる昨今、こんな時勢でもサウナは老若男女問わず盛況が続いていますね。

その多くの方が”ととのう”ことを目的に足繁く通っているようですが、そもそもこの”ととのう”とは一体なんなのでしょうか?

気になってるけど今さら聞けない…という方のため理系美容家の箱崎かおりさんに詳しく教えてもらいました。

サウナ用語でよく聞く”ととのう”って何?

"ととのう"は交感神経と副交感神経の共存

――早速なんですが巷で良く聞く”ととのう”とはどういう状態なんでしょう?

これは一言で言うとゾーンの一種みたいなもので、交感神経優位の頭の冴えた感じもありつつ副交感神経優位のリラックスモード…という実はちょっとした面白い共存状態のことを指しています。

その独特の陶酔感は「全身の力が抜けてふわふわする」「体の芯から気持ち良くなる」感じで、病みつきになる方も続出中となっているわけですね。

その大まかな仕組みを手順とともに説明していくと以下の通りです。

①サウナに入る

交感神経(戦闘モード)は体に異常事態が起こると優位になるもので、サウナのように極度に熱いところに入ると脈拍とともにどんどん高まっていきます。

この交感神経優位の時、脳内ではエンドルフィンやアドレナリンやノルアドレナリンといった快楽・興奮物質も分泌され出して頭も冴えていきます。

②水風呂に入る

その後に水風呂に入ると体はクールダウンされますが、これもまた体にとっては異常事態なので交感神経はさらに高まっていきます。

また、その一方で水で冷やされることで今まで上がっていた脈拍も一気に正常値へと下がっていきます。

③外気浴をする

この状態で外気浴に出ると脈拍が平常時まで下がった影響で体はすぐに副交感神経優位のリラックスモードに入ることができます。

ただし、その前段階で分泌されていたエンドルフィン、アドレナリン、ノルアドレナリンといった物質はまだしばらく脳内に残ったままなのでもう5~10分ほど影響が続きます。

これが先ほどの「交感神経優位だけど副交感神経も優位」の秘密で、独特の”ととのう”という感覚が生み出される仕組みです。

――”ととのう”というのは思い込みや気分などではないんですね。

そうですね、自ら体を異常事態にしていくことで独特の感覚を楽しむと言う感じです。

これは水風呂で急激に体表面を冷やすからこそ初めて生まれるもので、入浴やサウナだけでは実現できないので上手くできてるなと思いますね。

単に気持ちいいだけじゃない”ととのう”メリット

"ととのう"メリットは気持ちいいだけじゃない

――この「ととのう」には単に気持ちいい以外にも色々な効果があるとか?

そうですね、これもいくつか挙げられるので順番に解説していきます。

脳の老廃物を除去

脳の疲労にはアルブミンと呼ばれるタンパク質が関わっているとされているのですが、これは通常睡眠でしか除去できないものです。

しかし、実はサウナから水風呂に入るとき脳への血流が大幅に改善される効果があって、このときアルブミンも物理的に一緒に流してしまえるので頭もスッキリします。

その程度は良く「頭から疲れや悩みがスーッと抜けていくよう」とも言われていますね。

マインドフルネス(瞑想)

人間は何もしていない時間でも頭では「昨日仕事で失敗した」「今日のご飯はどうしよう」など常に勝手に何かしらのことを考えてしまうものです。

これをDMN状態と言って、この時はなんと脳の7~8割もの容量を食っている状態になるので脳の疲労にも繋がっていきます。

でも、サウナではそんな余計なことを考えられる状態ではなく体のコンディションの方に意識が向くので脳を休憩モードにしてしっかり休めてあげることができるんです。

――確かにサウナにいるときってあんまり考え事はせず常に体の方に気を配ってますよね。

そうですね、そしてこの考えないことはマインドフルネス(瞑想)そのものなので、不安や精神的ストレスも取り除かれて仕事も捗るようになります。

ヒートショックプロテイン

しなびたキャベツを50℃くらいのお湯に浸けているとシャキッと蘇りますが、これがヒートショックプロテインの効果で体内で増えることが免疫や健康にもつながってきます。

これは湯船に浸かることでも出るものではあるんですが、特にサウナの場合では

  • 湯船に浸かるのと違って顔からもヒートショックプロテインが出る
  • 100℃など高温でしか発生しないヒートショックプロテインが出せる

といった特別なメリットが挙げられます。

効率的に「ととのう」方法とは

"ととのう"のメカニズム(仕組み)とは

――初めての方が”ととのう”のは難しいと良く言いますけど、効率的にできる方法はあったりしますか?

先ほどの仕組みを踏まえると、やはり交感神経をできるだけ優位にした後いかに早く副交感神経優位に移行できるかが大事だと思いますね。

のんびりしていると副交感神経が優位になる前にエンドルフィン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどの残り香が消えてしまいますので。

後は自分の理想を知っておくために調節するべき心拍数の店舗もある程度体感で覚えておいて損はないかもしれません。

――というと…?

例えばサウナで上げるべき心拍数は平常時の2倍くらいが理想と言われています。

もちろん個人差はあるので微調整は必要ですけど、脈拍を測ってこのテンポを何となくでも覚えておくと”ととのい”やすいです。

また、水風呂では皮膚表面温度を下げることに注力しつつ30秒~1分かけて脈拍を平常時まで戻してあげる必要があります。

ただし、水風呂内で平常時まで戻してしまうとちょっと冷やしすぎかもしれないので外気浴するところで脈拍がちょうど戻るくらいで調整してあげるのが理想ですね。

ただし、”ととのう”には注意ポイントも

"ととのう"デメリットにご注意を

――それにしても通常の倍まで上げるとなると高齢の方には少し負担が大きそうですね。

そうなんですよね。実は日本人の死亡原因第2位はお風呂なんですけど、自らそれを作り出してる状況なのでやはりリスクはあります

脈が早くなってしまう以上、心臓にはどうしても負担がかかりますので心臓弱い方とか不整脈の方とかは絶対NGですし、自分が健康な時でないと諸刃の剣になるかな…というのは思うところです。

――対策みたいなものはあったりしますか?

いきなりサウナではなくて、まず最初は温冷交代浴で体を慣らしてあげてからサウナに入るようにすると血管も拡がりやすくなって体調も悪くなりにくいのかなと思います。

また、水風呂ではなるべく手足から入るようにしたり胸元に手をクロスして心臓の負担を下げてあげたりというのも有効です。

後は何と言っても無理をしない入り方がとにかくですね。もちろんサウナ前後で必ず給水してあげるのもお忘れなく。

最後に

初心者は無理して"ととのわない"が鉄則

サウナは最近すごく流行っていて”ととのう”のにチャレンジする方も増えていますが、正しく行えば心身をリラックスできる反面リスクもあります。

血管は入浴を繰り返すことで収縮し鍛えられる側面もありますので、初めての方の場合は無理して”ととのう”のは避けて慣れるまでは無理のない範囲で入浴するようにしましょう。

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