なぜX脚になるの?その原因とは
X脚の原因もO脚と同様に、脚の筋肉のアンバランス(ねじれ)が原因となって起こる症状です。
普通、股関節は太ももの骨の丸い付け根部分が骨盤にスポッとはまり込むような形になっていて、これによって私たちは脚を自由に動かせるようになっています。
横から見ると、X脚じゃない人の股関節はだいたい背中側に10~15度ほど後ろに押し込まれる形になっていて、これが正常な脚のラインになります。
しかし、X脚の方はこの股関節の角度が本人の自覚がないままにお腹側に閉じてしまってきていて、太ももの筋肉が内側にねじれてしまっているんです。
このねじれは、ズバリ内ももの筋肉が固い、もも裏やお尻など体の背面にある筋肉がうまく使えず緩くなっているせいで起こるものです。
根本原因をさらにたどると、腹筋が弱いとか反り腰だとかという要因も出てはくるのですが、ねじれる理由についての大まかには上記のとおりです。
これらの筋肉がうまく使えていないと太ももの骨が前に引っ張られ股関節が内側に閉じてしまい、それにつられて太ももの筋肉が引っ張られる分内側にねじれる。
このように骨は筋肉によって支えられているので、筋肉でアンバランスが起きると、それによって骨の配列バランスがズレてしまいX脚という症状が起こるという仕組みなんです。
しかし、多くのケースでは骨の形が変わったり歪んだりしているわけではなく、”骨のポジションが変わってしまっている”というだけです。実はX脚は体質ではなく筋肉次第で改善可能な症状なんですね。
かんたんX脚セルフチェック
X脚という症状には厳密な定義があるわけではないのですが、自分でもある程度簡単に判別できるX脚のセルフチェックとしては以下の方法があります。
一概には言えませんが、以下の項目が当てはまる人はX脚の可能性が高いと言えるでしょう。
- つま先とかかとをつけた状態でまっすぐ立ったとき、ひざ同士がビタッとくっついて、くるぶしが空いてないか
- つま先とかかとをつけた状態でまっすぐ立ったとき、ひざの頭が内向きになってないか
- つま先とかかとをつけた状態でまっすぐ立ったとき、太もも付け根の横が張ったり骨が外に張り出してないか
- 歩いたり立ち座りの際に、ひざの頭が内側に入っていないか
X脚と反り腰は併発のケースが多い
特に女性に多いX脚ですが、X脚と反り腰は併発しているケースが多く見られます。
そのため、X脚のセルフチェックで該当が多かった方は反り腰のセルフチェックも併せて行ってみてください。
(※セルフチェック①と②のダブルチェックになります)
かんたん反り腰セルフチェック①
- 肩甲骨とお尻が壁に触れるくらいの壁際ギリギリに立つ。このとき、壁につけようと意識すると普段の姿勢ではなくなってしまうので、あくまで自然な姿勢で壁に近づきましょう
- 手の平(指)を腰との隙間に入れてみる(他の人に手伝ってもらうのがおすすめ)
- ちょうどピッタリであれば問題ないが、それ以上空いているようだと反り腰気味
かんたん反り腰セルフチェック②
- 立ったとき骨盤の一番上部分の前後に指を当ててみる(他の人に手伝ってもらうのがおすすめ)
- このとき、前の高さと後ろの高さの差が指1~2本分以上ないかチェックする
- もし、指1~2本以上の差があって前が低いようだと骨盤が前傾していて反り腰気味
普段の生活でX脚を解消する方法
X脚の方は普段無意識に行っている歩き方や立ち方、座り方が良くないから姿勢も崩れるし脚の形も崩れるし…ということが起きています。
そのため、基本的には下に挙げるような正しい姿勢を意識し続ける必要があります。意識し続けることは大変かもしれませんが、改善のためには避けて通れない道なので頑張りましょう。
立ち方
内くるぶしの真下に重心が来るように意識するのはO脚と同じですが、X脚の場合は体重が足の内側にかかりすぎてしまい土踏まずが潰れてしまっている方が多く見られます。
なので、このとき親指の付け根・小指の付け根・かかとの3点にバランス良く体重を乗せるイメージが良いでしょう(特に小指側への乗りが弱くなりがちです)。
また、X脚の方は反り腰を併発している人が多いので、同時に腰を反りすぎていないか注意するのも重要なポイントです。
歩き方
歩く場合も立っているときと同様に、やはり内くるぶしの真下に重心が来るように意識しつつ付け根・小指の付け根・かかとの3点にバランス良く体重を乗せることが大事です。
また、足を前に出すときに膝とつま先を同じ向きで出す意識も大切です。
座り方
一概に言い切れない部分はありますが、腰が反りすぎていて腰を痛めている可能性があるので第一には腰をあまり反りすぎないということが挙げられます。
反り腰かどうかについては、上記の反り腰セルフチェックを参考にしてみてください。
X脚改善に効果のあるストレッチ(筋トレ)
X脚は体の筋肉の使い方が原因で脚が内側にねじれてしまっている状態なので、外側にねじれを戻してあげる必要があります。
なので、改善策としては内ももの固くなってしまった筋肉を柔らかくしてあげたり、お尻やもも裏など背面の筋肉をしっかり使えるようにしてあげるアプローチが必要になります。
内容的には筋トレというよりかはストレッチ寄りで、正確には体がうまく動けるようになるための動きづくりというイメージです。
内もものストレッチ
股関節の動きを改善するストレッチ
注意すべきポイント
また、動画では紹介していませんが土踏まずを作るために足の指、足裏のエクササイズも行うと効果的です。
X脚は歩いていたり、立っていたりという動作の瞬間の脚の形や使い方の問題なので、今までと同じ動かし方では今までと同じ筋肉の付き方になってしまいます。
なので、うまく脚が使えていない状態で筋トレなどをしてしまうと、アンバランスな状態をさらにアンバランスに傾ける変な発達をしてしまうケースがあります。
X脚改善に必要なことは「今間違った使い方をしている筋肉のクセを消していきたい」ので、矯正の観点からはできれば筋トレは辞めておいた方が良いでしょう。
X脚の矯正グッズって必要?
X脚は根本的には固くなった筋肉によって骨が引っ張られて起きるのが根本の原因にあります。
X脚矯正グッズとしてインソールや矯正ベルトといったアイテムも世にありますが、筋肉の固い部分が柔らかくなったり筋肉が正しく使えるようになるわけではないので、それらのアイテムのみでは根本の原因解決とはいきません。
バランスは上半身も含めて体全体で矯正していかなくては改善されないので、グッズだけに頼らず地道にストレッチと動き作り、歩き方、立ち方、座り方の意識を心がけてみてください。
最後に…
体重を落とすのと違って、体の形を変えるというのはかなり複雑な要因が絡み合います。
X脚の場合も原因が1箇所だけではなく複数箇所に渡り絡み合っているケースがほとんどのため、理想は専門家に一度見てもらって自分の体の特徴とアンバランスの原因となっている部分を特定するのが最短でおすすめの解決法ではあります。
X脚の改善は体のさまざまな部分にアプローチが必要で、正直面倒くさいと思うことも多いかもしれません。
しかし、逆に言えばX脚を改善するために体のいろいろな部分にアプローチすることで、反り腰や腰痛が改善したり、脚が疲れにくくなり足裏もきれいになる、外反母趾のリスクが減るなどメリットもその分多く得られるので、ぜひチャレンジしてみてください。