正しいメニューで効果倍増、ストレッチポールの使い方とは

毛利就樹
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毛利就樹パーソナルトレーナー

持っていたり知っている人は多いものの、使い方や効果はイマイチ良く知られていないストレッチポール。

柔道整復師でもありパーソナルトレーナーでもある六郷もうり整骨院の院長・毛利就樹さんに正しい使い方とオススメのストレッチメニューを教えてもらいました。

敢えて使うメリットとは

ストレッチポールを使うメリットとは

――そもそも、ストレッチポールを使うとどのような効果があるのでしょうか?

まず、自分でマッサージするよりも圧倒的に効率良く筋肉をほぐせるのが大きな特徴ですね。そして何より手軽さ。

難しい技術も不要ですし、極端な話乗っかってるだけでも体が変化してきてくれます。

体をほぐすストレッチからバランストレーニングまで幅広く使うこともできますし、簡単に効果が得られて使い勝手も良いところが人気の理由だと思いますね。

――そんなに大きな違いがあるのですか?

実際に僕もトレーニングなどで使用していて大きな効果を体感していますし、一度使ってみればおわかりいただけると思います。

使う前には仰向けに寝転がってもらうと腰と床の間に大きな隙間が空いていたり、肩が地面から離れていたり…といった方でもストレッチポールを使った後にもう1回寝てみるとみなさん「あっ!ぜんぜん違う!」と驚かれます。

「別に体が強張ってたつもりはなかったけど…」という方でも使用後は背中がべったり床にくっつくようになったりと、100人中100人が効果を感じていただけるくらい大きなものですね。

ストレッチポールは効率的に筋肉をほぐすアイテム

――とても魅力的な話ですね。これはどういう仕組みなのでしょうか?

筋肉は緊張が続くと固く縮こまる性質があります。

すると、その部位の血流が悪くなり可動域も狭まり、体の出す黄色信号として痛みやむくみが起こるんです。

なので、マッサージやストレッチでほぐしてあげることでこういった症状が改善され体も動かしやすくなっていきますね。

――そうなんですね。他にも影響はありますか?

はい、この筋肉の縮こまる性質は姿勢にも大きな影響を与えます。

例えば、パソコンの業務などで常に手を前に出している方は胸周りの筋肉も緊張しっぱなしの状態なので凝り固まりがちです。

胸の筋肉がキュッと縮こまると上半身が丸まり前側に傾いてしまうので、猫背やストレートネックといった症状を引き起こすわけです。

こういうところをほぐしてあげると体の重心も治ってくるので、筋肉をほぐすのは姿勢改善の上では特に重要な要素だと思いますね。

ストレッチポールで痛みとむくみ、姿勢を改善

――首や肩の痛みに悩む方に最適そうですね。

実は、ストレッチポールは使い方次第で首、肩、腰はもちろん全身どこにでも”効かせる”ことができるんです。

うつ伏せになって太ももの前の筋肉をほぐせば膝の曲げ伸ばしがしやすくなったり、脚が細くなりボディラインも良くなります。

また、後頭部や首の後ろ側をほぐせば顔のむくみや頭痛なども改善します。

せっかく持っていても、特にうつ伏せのやり方は知らなくて損している方が結構多い印象ですね。

セルフチェック

自分の体がどのくらい歪んでるかどうかは、簡単にセルフチェックで知ることも可能です。

ストレートネック

ストレートネックのセルフチェック法

身長測定をするときのように壁にピッタリと後頭部、背中、踵をくっつけます。

このとき、上向きになりがちで真正面を向きづらいようだとストレートネックの傾向があります。

反り腰

反り腰のセルフチェック法

仰向けに寝転がったとき、腰と床の間の隙間に自分の指が1~2本入るくらいが理想的な隙間です。

これ以上の隙間がある方は反り腰気味で、もし手のひらまで入ってしまうような人は要注意かもしれません。

肩こり

両手をまっすぐ上に挙げてみて、二の腕を両耳にくっつけることができるかチェックしてみてください。

つかなかったり負担を感じる人は、肩の筋肉がかなり凝り固まってしまっていて重症度は高めかもしれません。

オススメのポールのタイプは?

オススメのストレッチポールのタイプとは

――ストレッチポールは種類も多いですが、どれが一番良いのでしょう?

ストレッチポールの種類は大まかに分けて

  • 一般的な長いタイプ
  • 半分の長さのショート
  • 半分に割ったハーフ

の3種類があり、それぞれ次のような特徴があります。

ショート

コンパクトで使い勝手が良い点が大きなメリットですね。

後で動画で紹介している”ながら”ストレッチとの相性も抜群です。

ハーフ

ハーフカットは転がらずバランス的に安定感があるので高齢者の方やかなり初心者の方向けですね。

高さも半分なので背中にあてて反らすにしても上に乗ってバランストレーニングするにしても負荷が少ないです。

不慣れな方や筋力が少ない方でもトレーニングしやすいメリットがありますが、転がして使う方が広い範囲をほぐしやすいので効果が弱めな点がデメリットです。

ポールの選び方

一人暮らしや女性にはハーフのストレッチポールがオススメ

好みにもよりますが、ポールは基本的に大は小を兼ねるなので私はオールマイティーな長い方をオススメしていますね。

通常の長いストレッチポールなら乗ったままで頭から腰までケアできますし、現代人に必要な動きも多かったりしますので。

ただ、邪魔になりやすかったりマッサージ時にスペースを取りがち、という事情もありますからそういう場合はショートでも全然OKです。

ショートの方は”ながら”でしやすい動きもあるので、もしかしたら一人暮らしの方や女性の方はショートの方が使い勝手が良いかもしれませんね。

実は私も最近はショートを使う機会の方が多かったりします。逆にハーフは正直うちの医院でも出番が少ないので、普通の方向きではないかもしれません。

ポール選びのテクスチャはお好みでOK

――表面が平らなタイプとデコボコしたタイプがありますが…?

表面に凹凸があるタイプは筋肉をほぐす効果に特化したローラーです。

ただ、僕もいくつか試してみましたが正直人によって合う合わないがあると思います。なので、“使用感が良いもの”で大丈夫です。

後、女性は硬いタイプだと痛みを感じる方がいるので柔らかめタイプの方が良いかもしれませんね。

最近はフィットネスクラブにも置いてあることが多いですし、実際に試して良かったものを買えればベストです。

おすすめストレッチメニューの紹介

首のコリに効くメニュー

首の後ろ側の筋肉は頭頂部あたりまで伸びているので、これを広くほぐしてあげると顔のむくみや頭痛なども改善します。

肩や肩甲骨のコリに効くメニュー

横向きになってワキの後ろあたりをほぐしてあげるストレッチは肩こりに驚くほど良く効くメニューなので、とてもオススメですよ。

猫背に効くメニュー

腰痛に効くメニュー

太ももの前側(腰痛にも)効くメニュー

特にヒールを履く機会の多い方は、太ももの前側の筋肉が固く縮こまるので骨盤を前側を引っ張って傾けてしまい反り腰になりがちです。

ヒールは正しく履くのが難しくボディラインも崩れやすいので、ぜひ体の前側の筋肉を積極的にほぐしてあげて欲しいですね。

また、ふくらはぎをほぐすと大幅にむくみが改善され脚も細くなるので女性にはすごくオススメのストレッチです。

“ながら”でほぐす簡単メニュー

手を使わず”ながら”でできる簡単メニューですが、もちろん上で紹介した首、肩、腰などのメニューもすべて”ながら”で行うことができますよ。

最後に…

ストレッチポールは良いことづくめ

このように、ストレッチポールを使えば短時間で簡単・効果的に疲れた筋肉をリラックスさせることができます。

凝り固まった筋肉をほぐせば、むくみも取れてボディラインも改善します。

姿勢も改善されるのでスッとした背筋になりデコルテもきれいに見えるようになる。

スッとした背筋になると肺が酸素を取り込みやすくなって頭や体がはたらきやすくなり睡眠の質も上がって…とまさに良いことずくめです。

上に乗っているだけで効果があるアイテムなんてそうそうないですし、ぜひ疲れがたまりがちな現代女性にこそ習慣づけて使っていただきたいですね。