なぜ臭いが出てしまうのか
実は汗はそれ自体に臭いはないのですが、放置することで雑菌が繁殖してしまい臭いが発生する…というメカニズムになっています。
臭いは「この濃度を超えたら匂いを感じ始める」という分岐点があるのですが、特に
- 足の蒸れた臭いのイソ吉草酸
はこのラインがかなり低くて、ちょっとでも発生していると臭ってしまうという特性があります。
しかも、ニオイ分子は高温多湿になるほど活発化する性質があるので汗をかきやすい夏はしっかりケアしないと臭いが出やすくなってしまうんですね。
自分の体臭セルフチェック
ずっと嗅いでる自分のニオイは嗅覚が慣れちゃっているので、確認する方法ってなかなか難しいですよね。
僕らが実際に現場で行っているのは「全く違う匂いを嗅いで先入観をなくした上で嗅ぐ」という嗅覚リセット法です。
例えばコーヒー豆など質の違うものを先に嗅ぐことで脳の切り替えができるんですね。
もし、リセットした上で嗅いでみて感じる違和感があれば、それは自分の体臭に近いものかも知れませんね。
ただ、正直ニオイのプロである私たちでさえ自分自身の体臭を知るのはかなり難しいです。
やはり、確実なのは信頼できるパートナーや体臭専門のクリニックの先生など第三者に嗅いでもらうこと。これが一番のオススメですね。
頭皮の対策・予防
頭皮は汗をかく面積が多い割に拭ったりもできないので、実は対策は難しい部分です。
頭皮用のデオドラントスプレーもありますが、やはり汗をかいてしまったら雑菌が繁殖する前にとにかく早く引かせることが大事です。
後は基本的なことになりますが、日々の入浴で頭を洗うタイミングや洗い方はしっかりチェックして欲しいですね。
美容師が教える、頭皮を傷めない正しい髪の毛の洗い方とは
https://bellemoi.jp/beauty/556/
耳の裏の対策・予防
耳の裏にはワキと同じアポクリン汗腺という臭いのもとが分布している上に、くぼんでいて汗もたまりやすく意外と臭いの原因になりがちです。
完全に露出していて他人の鼻との距離も近いですから、ダイレクトに臭いを感じやすい部分なんですね。
ただ、逆に言えば露出していてケアしやすい部分でもあるので、汗ふきシートなどでこまめに拭き取ってあげるだけでケアできます。
拭き取りすぎると逆に分泌過多を招きやすくなるので、ドライタイプよりウェットなタイプがオススメです。
もちろん、日頃の化粧水や乳液など保湿ケアも臭い対策にはかなり有効ですよ。
ワキの対策・予防
汗のアンモニア臭にせよワキガ臭にせよ、本当に匂わせたくないのであれば汗を止めてしまうデオドラントがやはり一番有効ですね。
塗るタイプのデオドラントには制汗プラグと呼ばれる成分が含まれているものがあって、これを塗ると毛穴にフタができるので発汗自体もワキガ臭も抑えることができます。
ワキガ臭の場合は…
実は悪い匂いと良い匂いを混合して上書いたり変化させたり…というのは技術的にすでに実用化されています。そのうちの1つに挙げられるのが香水ですね。
ただし、これは自分の体臭に相性が合う香水を使わないと逆効果になってしまうのは言うまでもないですね。
もし使うようであれば、この相性をしっかり把握した上で適切な量を使用するようにしましょう。
また、香水はあくまでワキガ臭を補助的に和らげるものに過ぎません。
やはり制汗・デオドラント製品との併用やこまめなケアは必須なのでご注意ください。
制汗プラグ入り製品の注意点
ちなみに、制汗プラグは背中や額などワキ以外の部位にも効果がありますが、これをやってしまうと汗の本来の役割である体温調節機能が失われてしまい熱中症のリスクがかなり増してしまいます。
なので、制汗プラグは基本ワキだけに使うようにして説明書に使用可と書いてない限り他の部位には塗らないように気をつけましょう。
体の対策・予防
若い方にありがちな臭いはやはり汗由来のアンモニア臭がメインになります。
これはデオドラントによる予防的に抗菌とこまめな拭き取りによる除菌がメインの対策になりますね。
ただ、これが30~40代になるとジアセチルが、50~60代になるとノネナールが分泌されるようになり、いわゆるミドル脂臭や加齢臭といった臭いを発するようになってきます。
ミドル脂臭や加齢臭は体内からの分泌物が原因になっているのが汗由来の臭いとは大きく異なるポイントです。
これは日常のストレスや不規則な生活習慣によって活性酸素が増えると抗酸化が間に合わず臭いとして分泌されるものです。
なので、改善のためにはデオドラントではなくストレス緩和やポリフェノールやイソフラボンなど抗酸化作用を高める食生活、適度な有酸素運動など生活習慣改善の方が重要になります。
30代以降で
- ずっと冷房の中とかで汗をかかずデスクワーク
- 運動習慣がなく湯船に浸かることもない
- 睡眠や食生活が不規則
なんて方はかなり要注意かもしれませんよ。
デリケートゾーンの対策・予防
当たり前の話になりますが、通気性の良い下着を着けていただいたり、汗が留まらないようにアンダーヘアを整えてあげるケアをする、というのは有効ですね。
とはいえ、例え生理中であってもデリケートゾーンの臭いが発生源となり周辺に拡散している女性は私自身も過去に1件もお見かけしたことがないです。
なので、これは基本的に周囲の人や周辺までは臭っていないと思っていただいて良いかと思います。
それよりも、臭ってないか気にしすぎるあまりストレスになり活性酸素を生み出してしまう方が心配ですね。
気にしすぎないというのも臭い対策には大事なことですよ。
足の対策・予防
デリケートゾーンと同じ理由で、靴も脱がない限り臭いが湧き立ってくる可能性は低いですね。
ただ、「汗由来の臭いが靴について靴から臭っている」ということはあるので、靴を嗅いでみて汗臭さが気になるようであればお手入れする必要はありますね。
でも、それで特に問題ないようであればあまり気にする必要はないと思います。
最後に…
最近の若い方…特に女性はしっかりケアされている方が多いので、「気にしすぎている方が多いのかな」という印象を感じますね。
先ほども申し上げましたが、ストレスを感じると活性酸素が発生して体臭につながってしまう性質があり、気にし過ぎはそれ自体が臭いの原因になってしまうんです。
私自身も女性から気になる臭いを感じることはほぼありませんし、適切なケアをしっかり行ってあげたら、ぜひ”気にしない”ということを”気にして”みて欲しいですね。