「化粧下地は日焼け止めだけ」って効果はあるの?両方使った方が良いもの?

箱崎かおり
written by
箱崎かおり理系美容家

日焼け止めと化粧下地、それぞれの役割

最近は、化粧下地にも日焼け止め効果があったり日焼け止めにもトーンアップできるものがあったりして、それぞれの境界線が曖昧なのでどの商品を使えば良いか迷っている方も多いのではないでしょうか?

ただ、やはりそれぞれの主目的は違っているのでキチンと使い分けが必要な場合があります。なので、まずは担っている役割について説明していきたいと思います。

日焼け止めの役割

日焼け止めはその名の通りUVカットに特化した商品です。

性能について大まかに説明すると、PAという指標はUVAという肌老化に影響を与える紫外線のカット率を表していて、SPFという指標はUVBという日焼けに影響を与える紫外線のカット率をそれぞれ表しています。

化粧下地の役割

化粧下地には肌の色調を整えたりファンデーションとの間をつなぐプライマー(のり)の役割があります。

具体的にはファンデーションの伸びを良くしたりパウダーファンデーションを付着しやすくしたり、その効果を高めたりといったことですね。

化粧下地だけで日焼け止めの代わりになる?

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化粧下地は、肌の色調を整えて美しくすることがメインの役割なので日焼け止め効果が期待できない商品もありますが、中には日焼け止め替わりになるようなものもあります

通勤のみなど、外出が少ない方はSPF30 PA++もあれば日焼け止め効果は十分得られるので、化粧下地のみでOKケースもあります。ただ、営業など外に出る機会が多い方は日焼け止めも併用する方が確実です。

なお、化粧下地は汗や擦れで落ちやすいものも多いので、特に汗をかきやすい夏場はウォータープルーフの日焼け止めを使った方が良いですね。

日焼け止めだけで化粧下地の代わりになる?

一方、日焼け止めはUVカットがメインの役割で肌の色調を整える効果はおまけ程度なので化粧下地の代わりとして使うのは難しいですね

良く言えばトーンアップ効果が控えめな分ナチュラルとも言えますが、肌悩みがある方はやはり下地を使ってあげた方が良いです。

化粧下地には全体をトーンアップするものからコントロールカラーという色味を細かく調整するものまで、個々の悩みに合わせていろいろな種類の商品が揃っているので肌悩みを解決するなら下地は欠かせません。

これは日焼け止めではどうしても補い切れない部分になってしまいますね。

両方使う場合はどういう順番で塗るの?

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日焼け止めと化粧下地を併用する場合、順番は絶対に日焼け止めの後に下地を塗るようにしてください。

日焼け止めの塗り方

まず、日焼け止めはあまり色のつかないものを選ぶのが無難です。

塗り方はできるだけ均一に塗り残しのないように塗り拡げるのが良いですが、厚塗りになると化粧が崩れやすくなってしまうので気をつけましょう。

ただ、顔の中でも鼻は特に紫外線の影響を受けやすく酸化ストレスが高い状態になりがち[1]なので、もし可能なようなら鼻だけは気持ち多めに塗ってあげても良いかもしれません。

化粧下地の塗り方

下地の中でも色が薄かったり色がついていないものは日焼け止めと同じように全体に塗ってしまっても大丈夫です。

ただ、色のついているタイプは全体に塗ってしまうとメリハリのない”のぺっした顔”になってしまうので、ご自身の色調に合わせて目立たせたい部分に対して使うのが良いと思います。

普通は目の下の三角ゾーンを明るく見せたいと思うので、その中心を厚めに塗りつつ外側に向かって薄く塗り拡げていくのがメイクアップテクニックとしては鉄板ですね。

ちなみに、フェイスラインに化粧下地を塗る必要はあまりありません。

化粧直しをする場合の注意点

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特に夏場は汗などで落ちてしまいがちなので、できれば何時間かおきに直してあげた方が良いですね。

塗り方や塗る順番は使う化粧品のタイプによって少し変わるのでご注意ください。

乳液タイプの日焼け止めを使う場合

おもちであればパフみたいなものを使って塗ってあげると、皮脂や汗を拭いつつ新しい成分を付着できるのでオススメですね。

後は、その上からパウダーファンデーションなどをポンポンとしてあげるだけでお直しになります。

また、パウダーファンデーションはそれ自体が光を散乱するので、手短にお直ししたい場合はパウダーファンデのみ、というのもありと言えばありです。

スプレータイプの日焼け止めを使う場合

塗り直しは面倒なので、個人的にはスプレータイプの日焼け止めを活用してみるのもありかとは思います。

ものによっては少しギラついたりすることもあるので商品は選んでいただく必要がありますが、非常に便利ですよ。

ただ、スプレータイプは薄塗りになる傾向があるため十分な効果が得られないことも。仕上げやお直しに使うのがオススメですね。

スプレータイプの日焼け止めを使う場合はファンデーションの後にスプレーという順番になるのでご注意ください。

日焼け止めがもつ強力な美容効果

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余談になりますが、日焼け止めにはどんな高級美容液よりも高い美容効果がある…というのは皆さんご存知ですか?

一般にはあまり知られていませんが、紫外線にはUVAとUVBの2種類があってUVAの方は1年365日降り注いでいて肌老化の要因の80%を占めるというのがすでに研究によって明らかに[2]なっています。

たちの悪いことにUVAは部屋の中にまで貫通して入ってくる紫外線なので、実は部屋の中でも日焼け止めを使う癖付けをしておくと肌の老化はかなり防ぐことができるんですね。

実際、私も朝起きたら「カーテンを開ける前に必ず日焼け止め!」というくらい重要視していますし、肌退化の度合いでは大きな違いが出てくる部分になります。

塗り方にもポイントがあって、1回塗りだとどうしてもミクロで見ると隙間ができてしまいがちです。なので、できれば2回に分けて2度塗りした方がより均一になりやすいですよ。

最後に…

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日焼け止めと化粧下地は兼用も可能ですが、本来はそれぞれ役割が異なるものなので自分の目的に合わせて使い分けてあげるのがベストです。

また、スキンケアという観点ではUVAによる肌老化の影響は室内にいても受けてしまうので、できれば日焼け止めは365日1年中使った方が良いですね。

個人的に日焼け止めはコスパ最強スキンケアの激推し商品なので、ぜひ自分の好きな日焼け止めを見つけてモーニングルーティンに加えていただければと思います。

参考文献
  1. 資生堂、バイオフォトン測定により顔の酸化ストレスの部位差を発見 酸化ストレスレベルは加齢・シワと密接に関係
  2. Effect of the sun on visible clinical signs of aging in Caucasian skin.