自宅で行うセルフカラーで失敗しない!美容師が教えるやり方のコツとは

秋山俊
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秋山俊美容師

泡とクリームとジェル、タイプはどれがオススメ?

セルフカラーの薬剤には、泡やクリーム、ジェルなど色々な形状がありますが、染色の性能という部分に関してはどれも差はなくて違いは操作性の部分が大きいですね。

ただ、基本的には使いたい形状のものを使うというよりかは、染め方に併せて適切な形状のものを使うというイメージです。

泡・ジェルタイプのメリット

例えば、全体を染める場合は泡やジェルの方がなじみやすく揉み込むだけでムラも起こらないのでとても楽ですね。

クリームタイプで全体を染めようとすると、泡に比べてなじみにくかったり薬剤の付着ムラができやすかったり、コントロールの難しさから失敗しやすいです。

クリームのメリット

ただ、根本だけ染めたいような場合には泡やジェルではまず無理なのでクリームを使った方が良いですね。

特に、クシから薬剤が出てくるタイプのセルフカラーはシンプルに使いやすいので初心者の方にオススメですよ。

カラーを入れる前に…

セルフカラーで失敗しない!美容師が教えるやり方のコツ|美容師 秋山俊6

必要なもの

手袋など染めるのに必要な道具は一通りセットとして付いてると思うので、それ以外では余計な場所に付着するのを防ぐためのものを用意した方が良いですね。

例えば白髪染めなどの染料が濃いカラー剤が顔や体につくと何日間も残ってしまうことがありますし、お風呂場に撒き散らすとそのカラーはまず落ちません。

なので、事前に新聞紙などを敷いたり色が入っても良いような要らないタオルをたくさん用意しておくと有事の際も安心だと思います。

髪の毛の状態

髪の毛の状態は、できれば乾いていてスタイリング剤やトリートメントも何も付いていないフラットな方が発色しやすい特徴があります。

厳密に言うと濡れてる髪の毛の方が薬剤がなじみやすくはあるのですが、濡れていると色がわかりづらくなり塗る精度が落ちるので上級者向けにはなってしまいますね。

カラーを入れる

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誰でも簡単に染められるイメージのあるセルフカラーですが、実は成功するかどうかは過去の履歴によるところが大きく全然染まらなかったり大失敗したりということが起こります。

いろいろパターンがあるので挙げきれないところもありますが、代表的なところをいくつか紹介していきますので参考にしてみてください。

バージン毛

カラーやパーマを一切やったことがないバージン毛の方の場合は、泡やジェルで全体を覆ってしまえばカラーが入るので楽な部類に入ります。

ただ、厳密に言うと髪の毛の根本から2cmくらいは頭皮の体温からの影響を受けて必要以上に明るくなりがちなので、欲を言えばクリームタイプを使ってまず中間と毛先を塗ってから時間差で根本を塗る、というのが理想ではありますね。

ただ、難易度は一気に上がるので初心者の方は多少色味の違いが出るのは覚悟の上で泡かジェル、でも良いかとは思います。

いつものカラーをしていて根本が伸びた方

いつものカラーの根本にいつものカラーを入れる場合はこれが一番楽です。

泡でもクリームでも根元から毛先まで全部まんべんなくつけてあげれば一発で染まりますし、バージン毛のように熱の影響を考える必要もありません。

履歴があって根本だけ染める場合

それなりに履歴がある場合はクリームを使って根本だけ染めることになりますが、根本に上手く塗るコツはブロックごとに塗っていくことですね。

ただ、本格的なブロッキングまではする必要がなくて、「小分けに毛束を取って、持ち上げて、止めて、塗る。その1cmくらい上を取って、持ち上げて、止めて、塗る。」という工程を頭の全体に繰り返していく方が楽だと思います。

また、このときの薬剤はクシ先からクリームが出てくるタイプだと扱いやすくて良いですね。

黒染め履歴のあって髪の毛を明るくしたい人

白髪染めや黒染めといった履歴のある方で今回は髪色を明るくしたい、という場合はセルフカラーではまず失敗する可能性が非常に高いです。

もし失敗しても良いということでなければ、ヘアサロンに行ってしまった方が無難かもしれないですね。

履歴のある方はやはりヘアサロンが無難

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履歴がある場合…特に暗い色から明るい色にするときはセルフカラーでは一発で均一に染めるのは難しくムラになったり染まらなかったりすることが多いです。

例えば、良くあるのが高校生の方などが夏休みだけ明るくして、学校始まりに黒染めして冬休み入ったからまた明るくしたいという場合や白髪染めを使ったことがある場合ですね。

この場合、根本は地毛ですが中間は黒染めが入っている状態なので、そのままカラーを入れても根本だけ明るくなって他は真っ黒ということになってしまいます。

そういう場合は、一度黒染めした部分だけを脱色(ブリーチ)して金髪にした上から薬剤を塗って…という手順になるのですが、特に頭の後ろ側は見えないのでセルフでやるのは相当難しいと言わざるを得ません。

なので、履歴のある方のカラーはできればヘアサロンに行った方が無難、というのが個人的な見解ですね。

FAQ(カラー剤の分量、カラー後のトリートメントって?)

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カラー剤の分量について

分量についてはその人の毛の量や頭の大きさで変わってくるので、正確に何gという話をするのは難しいですが、ケチって薄くつけるくらいならたっぷり付けた方が失敗はしにくいですね。

薄塗りだと発色もしにくいですし、付いていない場所があったりするとムラにつながってしまうので…というのが理由として挙げられます。

カラー後のトリートメントについて

セルフカラーではカラー後のトリートメントはついてないので、これは買っておくのが必須です。

例えば、カラーはキューティクルを開いて髪の内部にカラー剤を入れることで発色する仕組み[1]なのですが、キューティクルが開きっぱなしになっていると毛髪内部のたんぱく質やアミノ酸がどんどん抜けていってしまい枝毛や切れ毛の原因になります。

カラーのために一度開いたキューティクルは自動的には閉じないので、すぐトリートメントやコンディショナーを使って栄養素が抜けないようにカバーしてあげる必要がありますね。

最後に…

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セルフカラーは簡単に誰でもできるというのが売りではありますが、過去の履歴によっては上手く発色しないことも良くあります。

また、実はヘアサロンで使う薬剤よりもセルフカラーの薬剤の方が薬剤の濃度が高いのでその分髪へのダメージは大きくなりがちです。

なので、複雑な履歴がある方や枝毛・切れ毛が多い方はヘアサロンでカラーを入れる方がオススメではありますね。

参考文献
  1. 髪が染まる仕組み (ヘアカラーで髪の毛が染まる仕組み )