自宅でできるホワイトニングってどんな選択肢がある?種類ごとに効果を解説

山本達也
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山本達也歯科医師

歯のホワイトニングは今や歯医者さんに通わなくても自宅でできる時代になり実際に試したことがある方も多いことと思います。

でも、実際の効果や副作用ってどうなの…?ちょっと聞きづらい質問について歯科医師の山本達也さんにお伺いしてみました。

自宅でできるホワイトニング、効果はあるのか

オフィスホワイトニングの様子

――一言で自宅(自分)でやるホワイトニングと言っても実際種類はいくつかありますよね?

そうですね。大まかに挙げると

  1. 歯医者さんのホームホワイトニング
  2. ホワイトニングバー
  3. 市販品(個人輸入)
  4. 歯磨き粉・マウスウォッシュ

が主なところではないでしょうか。

――①が一番効果が高いとして、その次となるとやっぱり②になるんでしょうか?

そうですね、少なくとも歯医者さんが認可しているものに関しては個人差は多少あれど効果は確実ですね。その代わり金額もそこそこはしますけども。

ただ、その次のホワイトニングバーですがホワイトニングで一番大事な要素ってどの薬剤をどの濃度で使うかになので、そこがわからない限りは何とも言えない部分になります。

これはちょっとグレーゾーンな気もしていて歯医者としてはあまりおすすめはできないかもしれないですね…。

――なるほど…、でもそうなると薬剤次第でバーによってまちまちな感じになりそうですね。

一応、一般で使える成分はポリリン酸とピロリン酸のどちらかしかないのでどちらかが入っているんだと思いますけどね。

濃度は強ければ強くなるほど効果も高くなるけど歯に対するダメージも強くなるので、そこは兼ね合いという感じになりますね。

ネットで購入する市販品(個人輸入)について

ホームホワイトニングのタッチアップ剤

――amazonで買えるような海外の濃度の強いタイプっていうのは効果はあるんでしょうか?

これは歯を白くする効果自体はかなり強い部類だと思います。ただ、いくつか弱点もあって取り扱いは正直結構難しいかなという印象はありますね。

薬剤が強すぎる

基本的に海外の方向けの製品なので薬剤が強くどうしても知覚過敏を起こしやすいです。

特にアジア人の歯は欧米人の歯に比べてかなり弱い部類の歯で、その中でも特に日本人の歯はエナメル質が薄く弱いので海外のホワイトニング剤をそのまま使ったりするのはやっぱりトラブルも起こりやすいと思います。

ホワイトニング剤は効果と副作用が比例するもので、漂白力が強ければ必ずその分知覚過敏も起こりやすいものです。なのでそこはやっぱり歯医者さんで調整してもらった方が良いかなと。

薬剤が漏れてムラに

マウスピースが自分でお湯で作るタイプか外国人向けのサイズかだと思いますが、これだと高確率で薬剤が漏れてきてしまうことになります。

白くならない上に色のむらにもなってしまうので、そこだけは付属品ではなく歯医者さんで作ってもらってもいいような気はしますね。

国内で購入するデンタルグッズについて

市販の歯磨き粉にホワイトニング効果はあり?

――調べた中ではマウスウォッシュや歯磨き粉の中にもホワイトニングを謳っている商品がありますけど、これはどうなんでしょう?

これは正直薬剤としての効果がかなり低くて即効性はないと思っていただいた方がいいですね。ただ毎日使うものなので365日使ってそれが5年10年って積み重なってくると相当威力は増してくると思います。

なので、考え方としてホワイトニングをした後の色をキープするために使っていただくのがコストパフォーマンス的にもいいやり方になりますね。

――毎日使うっていうことで考えると結果そんなに馬鹿にできないというか。

そうですね。もちろんこれ単体だけで歯を白くしようとするとそれこそ10年20年かかってしまって大変ですけど、キープするっていうくらいの感覚であれば使う分には非常に効果が高いと思います。決して気休めではないということですね。

歯磨き粉タイプには注意点も

ただし、ホワイトニングを謳う歯磨き粉はちょっと注意点があって、必ず1000円以上の商品を購入した方が良いですね。

安い商品だと100%研磨剤で落とすタイプなのですが、結局研磨剤だと歯の表面がザラザラになって着色しやすくなってしまうんですよね。

少し高くなりますが1,000円以上出せば汚れを浮かせて取るタイプのホワイトニング歯磨き粉が買えるので覚えておきましょう。

国内での民間療法について

ホワイトニングの民間療法は絶対NG

――ちなみにネットの民間療法を見ると激落ちくんや重曹などのアイテムがホワイトニング代わりに使われることもあるみたいですが、これは?

いわゆるメラミンスポンジは歯の表面にヤスリをかけるのと同じなのでNGです。もともと人体に使うような製品ではないですし絶対に使ってはダメです。

使っても安い歯磨き粉と同じように表面がザラザラになって着色しやすくなってしまうだけですし、削りすぎで知覚過敏の原因になってしまいます。想像するとこれは本当に恐ろしい話ですね。

――そうなんですね、重曹歯磨きの方はどうでしょう?

これも結局ヤスリと同じですね。般の重曹は濃度も粒子もバラバラでどれだけ削れるかもわからないので、それなら安い歯磨き粉を使った方がまだマシだとは思います。

ステンレスとかを磨く分には良い商品だと思いますが、口の中に入れるとなるとどちらも相当ハイリスクですね。

最後に

ホワイトニングはリスク・リターンを考えた上で

歯医者さんで行うホワイトニングは高くなりがちですが、それはそれなりの理由があるもので安い方法にはやはりリスクがつきまといます。

なので、安いからといって安易に飛びつくのではなく、そこはリスクとリターンをいったん考えた上で自分に合ったホワイトニングを選んで欲しいかなと思いますね。