食べても太らない食べ物ってあるの?
まず、野菜や海藻、キノコ類などは不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で栄養バランスも偏りにくいので食べすぎても太らない食べ物と言えると思います。
また、「太るよね」と言われることが多い糖質も、バランス良く食べれば太らないというのはあまり知られていませんね。
これはダイエットですごく勘違いされがちなことなのですが、実は「食べない」「カロリーを抑える」というのは体にとって逆効果で、実際にはむしろ食べながら痩せる方が効率が良いんです。
糖質を食べても太らないの?
カロリーのある栄養素はたんぱく質、脂質、糖質の3つであり、何をどれくらい食べたほうがいいのかということは厚生労働省から「日本人の食事摂取基準(2020年版)」[1]に記載があり、これは日本人の健康維持増進のために作られたものです。
そこで推奨されている炭水化物60%、タンパク質15%、脂質25%という割合を私も実際にオススメしています。
このバランスを維持した上で、運動量にもよりますが女性の方なら1日大体1,800~2,000kcalは摂取して良いとされているので、私は炭水化物を土台に必要な量を食べることをオススメしています。
「2,000kcalも食べて太らないの!?」と思う方もいるかも知れませんが、ごはん(米)などの主食を土台に食べることで、カロリーの栄養バランスが整い、体温や代謝が上がり、太りにくい体になれるのです。
産後太りからの-20kg以上減
実際、私自身も産後太りで20kg以上増えた体重に悩んでいて極端なカロリー制限や糖質制限を行っていた時期がありました。
でも、食事の内容を見直して炭水化物をキチンと取るようにしたらバランスが整い妊娠前以上に痩せたというのを私自身の体でも実証してしまったんですね。
私はダイエット指導もしているのですが、皆さんには食べたものをエネルギーに変換するイメージをもってもらい「炭水化物を食べても大丈夫」という意識変化を伝えています。
それでキチンと結果も出ているので炭水化物の量と栄養バランスはぜひ重視していただきたいです。
太らないとは言え…
ちなみに、野菜や海藻、キノコ類も「太らない=無制限に食べても良い」というわけではありません。
食物繊維の影響でお腹が緩くなってしまうこともありますし、サラダもドレッシングをかけすぎると脂質の取りすぎになってしまうこともあります。頻繁にサラダを食べる方は注意ですね。
いずれにしても一番大事なのは食事のバランスということですね。
逆に太りやすい食べ物とは
サラダはヘルシーだからと生野菜ばっかり食べていたり、毎日忙しいから菓子パンやカップラーメンが多くなるなど1つのものに偏ることで、代謝に必要なビタミンやミネラルなど不足し太りやすくなります。
また脂質の多い食事も注意が必要です。日本人は脂質の消化があまり得意ではないため、摂りすぎると内臓脂肪として蓄えやすくなるからです。
サラダだけでは必要なエネルギーが不足状態です。熱を生み出す元がなければ体温が上がらず体が冷えてしまいます。サラダにはごはん(米)やパン、肉、卵料理など主食と主菜を組み合わせといいでしょう。
サラダで食べる野菜は生でしか食べられないレタスやきゅうりなどが多いため、加熱しなければ食べられない根菜や葉菜類、きのこなど取り入れてほしいです。私のおすすめはお味噌汁にたっぷり野菜を入れて食べる具だくさん味噌です。
カップラーメンの場合は炭水化物は取れていますがたんぱく質、野菜類が少ない状態です。冷凍や乾燥野菜をプラス、肉類などのたんぱく質をプラスするようにしましょう。カップラーメンの炭水化物がスムーズに熱に変換されるようになりますよ。
一番気にした方が良いのはバランス
なので、「○○は太るから食べない」ということではなくて一番重視すべきなのは炭水化物60%、タンパク質15%、脂質25%という栄養バランスということになります。
当たり前の話にはなりますが、人間の体を円滑に動かすためには全身で色々な種類の栄養が必要になります。
栄養バランスを崩しがちな現代女性
痩せたくても痩せられず困っている方の食事を伺うと、栄養バランスが偏っている方が多いです。厚生労働省が出している「国民健康栄養調査」[2]の栄養素摂取量を見ると、女性は脂質の割合が多い傾向にあります。
ごはんを減らしておかずを多くすれば脂質の割合が高くなりますし、生野菜のサラダにドレッシングを沢山かけて食べれば脂質の摂取も多くなります。また、食事を菓子類で済ませるという方も脂質の摂取量が多い可能性があります。
なので、炭水化物であるごはん(お米)を土台に食べることで、脂質の割合を減らしカロリーのバランスが取れるようになり、腹持ちが良いため小腹が空いて間食するということも減ることでしょう。
食事の欧米化の影響
また、これは女性に限った話ではありませんが近年は食事の欧米化で全体的に主食がごはん(米)からパンにシフトしている傾向が見られます。
ごはん食からパン食になることで、パン自体の脂質も高いことがあげられます(食パンにバターやマーガリンを付けたらさらに脂質が高くなりますよね)。食べ合わせもベーコンエッグやポタージュといった脂質が高いものになりがちなので注意が必要ですね。
また、もともと日本人は脂質を摂る国民性ではなかったので脂質の消化・代謝が不得意な部分があります。脂質の割合が多すぎると内臓脂肪として蓄えられやすいという部分はありますね。
逆に言えば、昔から食べてきた穀類についてはエネルギーとして効率的に利用できるので、そういう意味でもお米を食べるというのは日本人にとって良いのではないかと思います。
どうしても○○が食べたい!そんなときは…
食べることは、楽しみの一つ!我慢しすぎず食べることも大切です。
もちろん、それが毎日・毎食となると栄養バランスの崩れにつながってしまうのでNGですが、やっぱりたまに食べたい時はありますからね。
そういうときは罪悪感を感じず全力で幸福感を感じながら食べるのが一番大事です。その方が満足感も得られやすいですし。
変に意識して「添加物いっぱいで~」「カロリーや脂質が~」とか罪悪感を感じながら食べてしまうと全くもって美味しくないんですね。そうなると満足感が得られずまた食べたくなってしまう。
なので、食べたいときは幸せを感じて美味しく食べる、というのが一番だと思います。
食べても良い時間帯について
よく深夜は食べないでという話もありますが、お仕事の関係で夕食がどうしても遅くなってしまう方もいますよね。
そういう方の場合はできるだけ揚げ物や脂身の多い肉や魚を控える。例えば、ご飯とお味噌汁と焼き魚といった組み合わせで良いと思います。
深夜に脂質の多い食べ物を食べると翌朝胃もたれしやすくなって朝ごはんが食べれないということになってしまいます。
というのも太りにくい体質を作るためには朝ごはんがとても大切だからです。朝は体温が一番低いためしっかり上げることが太りにくい体を作るためのポイントになります。
朝食をとることで体温が上がり、胃腸がしっかり動きお通じもしやすくなりますよ。朝おなかが空いていない人は前夜の食事を見直してみるといいですね。
間食してOKの場合もある
また、食事と食事の間が8時間以上あくと体が省エネモードになり代謝が悪くなります。ランチと夕食との時間が空いてしまう場合は何か間食をするのがベストです。
おにぎりなどを間食にするのもOK。体が満足でき、お菓子をダラダラつまむことを防いでくれます。
夜寝る前に小腹が空いてしまったときは、ホットミルクなど温かい飲み物を飲んだりカロリーオフ系の食べ物などを上手に使ってあげるのも手ですね。
最後に…
カロリーがある以上、結局どんな食べ物も食べすぎたら太りますし、バランスを欠いても太ります。
なので、何を食べていけないと言うことではなく1日3食しっかり食べつつ栄養のバランスを重視するのが大事ですね。
バランスを取って食べるというのは難しいことでもありますが、食習慣は変えられるもので食習慣を変えると体質も変わってきます。
「何をしても痩せられない」「痩せられなくて辛い」という方にこそ、ぜひ食習慣を見直してみて欲しいですね。
参考文献