原因は筋肉のねじれだった!ストレッチで根本原因から改善・矯正するO脚

岡崎秀哉
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岡崎秀哉パーソナルトレーナー

なぜO脚になるの?その原因とは

一言で言うと、O脚とは脚の筋肉のアンバランス(ねじれ)が原因となって起こる症状です。

普通、股関節は太ももの骨の丸い付け根部分が骨盤にスポッとはまり込むような形になっていて、これによって私たちは脚を自由に動かせるようになっています。

横から見ると、O脚じゃない人の股関節はだいたい10~15度ほど後ろに押し込まれる形になっていて、これが正常な脚のラインなんです。

しかし、O脚の方はこの股関節の角度が自覚がないまま背中向きにどんどん開いてしまっている状態で、そのせいで太腿の筋肉が外側向きにねじれてしまっているんです。

ストレッチで根本原因から改善するO脚|トレーナー 岡崎秀哉2

このねじれは、ズバリお尻やハムストリングス(もも裏)など体の背面にある筋肉が固くなってしまっていることで起こっているものです。

これらの筋肉が固くなると太ももの骨を後ろに引っ張るので、股関節の角度が背中向きに開いてしまい、太ももの筋肉がそれにつられて引っ張られてねじれる。その状態で体のバランスを取ろうとして外ももの筋肉ばかり使いがち…という悪循環ですね。

このように骨は筋肉によって支えられているので、筋肉でアンバランスが起きると、それによって骨の配列バランスがズレてしまいO脚という症状が起こるという仕組みです。

「骨の形が変わったり歪んだり~」というわけではなく、「骨のポジションが変わってしまっている」のですが、逆に言えばO脚の改善は筋肉によって可能ですのでご安心ください。

かんたんO脚セルフチェック

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O脚という症状には厳密な定義があるわけではないのですが、自分でもある程度簡単に判別できるO脚のセルフチェックとしては以下の方法があります。

一概には言えませんが、以下の項目が当てはまる人はO脚の可能性が高いと言えますね。

  • つま先とかかとをつけた状態でまっすぐ立ったとき、足の間に湾曲して空いている隙間がないか
  • つま先とかかとをつけた状態でまっすぐ立ったとき、ひざの頭が外向きになってないか
  • ぱっと見で明らかに外ももの筋肉が発達していないか

スポーツ経験がアダとなる場合も

ちなみに、O脚は体の筋肉の使い方が原因となって起こる症状なので、実は過去のスポーツ経験というのは影響度がとても大きいんです。

特に野球、バスケ、サッカーなど脚の外側に力(ブレーキ)をかけるスポーツ経験がある人ほど筋肉の使い方や付き方のクセが体にしみついていて、大人になっても脚の形に悩んでいる方が少なくありません。また、競技レベルが高い人ほどその競技特性が出やすい傾向にあります。

体力に自信はあるけど日常生活で外側の筋肉に頼った外体重になっている、座りっぱなしでお尻の筋肉が固くなりがち、なんて心当たりのある方は要注意ですね。

こういったケースも、自身の動き、筋肉の使い方の癖を理解し使い過ぎている部分はケアし、うまく使えてない部分を使えるようにしていくと、筋バランスが整い足のラインは綺麗になっていきます。

普段の生活でO脚を解消する方法

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O脚の人は普段無意識に行っている歩き方や立ち方、座り方が良くないから姿勢も崩れるし脚の形も崩れる…ということが体で起きています。

なので、基本的には下に挙げるような正しい姿勢を意識し続ける必要があります。意識し続けることは大変かもしれませんが、無意識にできるようにするためには、まず意識的な行動を継続することからです。

立ち方

O脚の方は体重が足の外側にかかっていて外ももの筋肉を使いがちなので、親指の付け根にしっかり体重を乗せることが重要になります。

加えて、内くるぶしの真下に重心が来るように意識すると脚の筋肉をバランス良く使いながら立つことができるので良いですね。

歩き方

歩く場合も立っているときと同様に、やはり内くるぶしの真下に重心が来るように意識しつつ親指の付け根にしっかり体重を乗せることが重要になります。

座り方

普段から猫背になっている人が多いと思うので、イスに座る時にはなるべく背もたれを使わない(深く腰かけ)ないようにして背中の筋肉を使わないと座れない状況を作ることが大事です。

また、その状態で首が前に出てしまっては意味がないので、耳の真下に肩がある状態をしっかりキープしましょう。

特にデスクワークの方は、腕が前に出る分だけ前重心になり姿勢が崩れがちで普段の姿勢がどんどん悪くなっていくので日々ストレッチを行うことをオススメします。

O脚改善に効果のあるストレッチ・筋トレ

O脚の方は、太もも筋肉の外側ねじれを内側ねじれに戻していきたいので、改善策としてはお尻の固くなってしまった筋肉を柔らかくしてあげたり、内ももの筋肉をしっかり使えるようにしてあげるアプローチが必要になります。

内容的には筋トレというよりかはストレッチ寄りで、正確には体がうまく動けるようになるための動きづくりというイメージですね。

お尻の筋肉のストレッチ

もも裏(ハムストリングス)のストレッチ

股関節の動きを改善するストレッチ

注意すべきポイント

O脚は歩いていたり、立っていたりという動作の瞬間の脚の形や使い方の問題なので、今までと同じ動かし方では今までと同じ筋肉の付き方になってしまいます。

なので、うまく脚が使えていない状態で筋トレをしてしまうと、アンバランスな状態をさらにアンバランスに傾ける変な発達をしてしまうケースがあります。

O脚改善に必要なことは「今使いがちな筋肉の特性を消していきたい」という部分になるので、矯正の観点からはできれば筋トレはやめておいた方が良いでしょう。

O脚の矯正グッズって必要?

これまでお話ししてきたように、O脚は固くなった筋肉によって骨が引っ張られて(あるいは緩みで)起きるのが根本の原因にあります。

バランスは脚だけでなく上半身も含めて体全体で矯正していかなくては改善されないので、インソールや矯正ベルトといったアイテムだけで部分的に解決しようとしても上手くはいかないでしょう

あくまで改善のストレッチと歩き方、立ち方、座り方の意識は必須なので、それらもセットで行えば効果があるかもしれませんね。

最後に…

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O脚の原因は、大抵の場合は1箇所だけではなく複数の要因が絡み合っているケースがほとんどです。

また、その根本も姿勢が悪いことが原因なのか、体が固いのが原因なのか、内ももの筋肉が使えていないのが原因なのか…と人によりけりです。

要因が複雑な分アプローチも複雑なので、できれば専門家に一度見てもらって自分の体の特徴とアンバランスの原因となっている部分を特定するのが最短の解決法でオススメではありますね。

体の形が変わるのはそれなりに複雑な理由があって、その影響は体のいろいろな部分に出ているので、改善の際に複数のアプローチが必要な面倒くささというのは事実あります。

しかし、逆に言えばO脚を改善しようと体のいろいろな部分にアプローチすることで、むくみも取れて血行・姿勢が良くなるなど体全体が健康になるメリットもあるので、ぜひチャレンジしてみてください。