初めてでも自宅でできる簡単ヨガ!おすすめメニューや実践のコツも解説

五十嵐由奈
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五十嵐由奈ヨガトレーナー

美容にも健康にも効果的、自宅でもできる万能エクササイズとして人気を集めるヨガですが「何から始めれば良いかわからない」「でも今さら人には聞けない」とハードルの高さを感じている方も多いのではないでしょうか?

そんなヨガ初心者の方に向けて、ヨガの準備や始め方をヨガインストラクターの五十嵐由奈さんに教えてもらいました。

そもそもヨガって何なの?

ヨガは心と体の両方にメリットがあるのが特徴

――そもそもですが、ヨガとは一体何のことを指しているんでしょうか?

今でこそヨガはデトックスやダイエットのイメージが強くなっていますが、もともとは5000年くらい前の古代インドが発祥の「悟りを開くための瞑想修行」なんです。

修行なので昔は「ヨガ=祈り・瞑想」だったのですが、それがだんだん体を動かすヨガに変化してきて今のような形になった、という流れですね。

そういったルーツがあるので、美容や健康の効果に加えて精神的にもリラックス・リフレッシュできる[1]のがヨガの大きな特徴だと思います。

――普通のトレーニングと違ってメンタル面での変化も期待できる、ということですか?

そうですね。と言っても哲学的な話を押し付けてくるとかではなくて、「体の負荷が解消されて気持ち良くなると心もリラックスするよね」的なニュアンスですね。

ヨガを続けていくと脚を組むクセがいつの間にかなくなっていたり体の重心も整ってきたり日常生活の中でも”気づき”が出てくると思います。

体が変わると体に対しての向き合い方も変わりますし、そうすると生活習慣も変わって内面的な部分も自ずと変化してくる、というイメージでしょうか。

実際みなさん最初はダイエットか健康維持で始められるんですが、続けてみると「体が変わることで内面的な部分がすごく変わった!」という方が本当に多くいらっしゃいますね。

ヨガは気軽にいつでもできるもの

ヨガを真似するときのポイントは「伸びているのが自分で体感できているかどうか」

――今から始める方は「YouTubeの動画を見ながら自宅で~」という方も多そうですが、最初はレッスンから受けた方が良いんでしょうか?

YouTubeでもスタジオレッスンでも始めるきっかけは何でもいいと思いますよ。

何につけてもそうですけど、まずは実際に試してみて「続けたい!」と思えば続ければ良いですし、やりたいと思った時にやるのが一番ですよね。

ただ、動画を見て「ちょっとヨガつまんなかったな…」と思われてしまうのは悲しいので、できれば人気がある方の動画を見て始めてもらえると嬉しいかもしれないです。

――そうなんですね。ポーズとかは動画の見よう見まねで大丈夫ですか?

はい。ヨガって「難しいポーズを正しく取らなきゃいけない!」というイメージが強いかもしれませんが、実際にはそこまで形にとらわれなくて良いんです。

  • しっかり伸ばしたいところが伸ばせているか
  • 効かせたい筋肉に効かせられているか

が大事なので、見た感じ「ちょっとポーズが違うかも」と思っていても、体がちゃんと伸びていたり正しく使えていれば問題なしですよ。

――形よりも”伸びているのが自分で体感できているか”が重要ということですか?

そうですね。「ちゃんと効かせていられるか」というところが大切ですね。

ヨガを始めるための準備

初めてのうちはウェアもマットも不要

――やはり最低限ウェアとマットは買った方が良いんでしょうか?

最初はなくても全然大丈夫です。ただ、ヨガは呼吸法がとても大事なので普段着よりかは動きやすい服の方がオススメですよ。

締め付けが強い服だと体を動かす時に苦しかったり、逆にダボッとしたスウェットだと滑ってケガしてしまったりもするので体が動かしやすかったらヨガウェアじゃなくても問題ないと思います。

――ウェアはウェアで普通のジャージにはないメリットがあったりするんですか?

そうですね、自分がどんな風に体を使えてるか鏡を見ながら練習できるようにヨガウェアはボディラインが目立つものが多いです。

初めての方は肌の露出が多くてソワソワしてしまうかもしれませんが、汗をかいたとき吸収が良かったり乾きも早かったりするので「寝間着もウェアでいいや」と思えるくらい着心地は快適ですよ。

――なるほど。マットはどうでしょうか?

マットもなくても大丈夫ですが、amazonとかで売っている1,000円くらいの安いマットでもあった方が滑りにくくてケガもしにくいですね。

さらにタイプ別では

  • 厚みのあるマット
    クッション性があるので腰を痛めていたり脚をケガしている方は体の負担が軽減される
  • グリップが強いマット
    より滑りづらいので正しく体を使うことができる

とったメリットもあります。

マットは物によって滑りやすさや体にフィットしていく感覚が全然違うので、選び方は個性が出るお悩みポイントですね…。

でも、これは興味が湧いてきたらこだわるので良いと思いますよ。

おすすめのメニュー

初心者に一番オススメのメニューは太陽礼拝

目的別にメニューはいろいろあるのですが、初めての方には一番シンプルで全身使えてずっと継続できる太陽礼拝がオススメです。

同じ太陽礼拝でも体を動かしたいときは結構アクティブに動けますし、逆にゆったりしたいときは体をほぐす程度に動かす…といった調整もできますので若い方から体が固い人、ご高齢の方まで幅広くお試しいただけますよ。

80代くらいの方でも全然やれちゃいますが、頭が下に向く動きが多いので貧血気味になりやすい方はちょっと注意が必要かもしれません。

その場合は太陽礼拝は控えたり最初は呼吸だけの練習をしてみたり、アプローチ法は変えてみると良いかもしれないですね。

太陽礼拝(説明ver)

まずは以下の動画で全体の流れを確認してみてください。

呼吸について

意識するポイントは基本的に以下の3点です。

  • 鼻から吸って鼻から吐く
  • 胸を開く時に吸う、胸を閉じる時に吐く
  • 呼吸はなるべく深く

やってみるとわかると思いますが、太陽礼拝は呼吸とポーズの連動感を感じやすい動きなので「胸を開くと吸えてるな―」「閉じてる時は吐けてるな―」といった感覚もわかりやすいと思います。

呼吸が深く取れると、呼吸って背骨のラインであったりとか肺にしっかり入っていったりすると思うんですね、流れとして。

肺にしっかり呼吸が入ると肺周りの骨や筋肉がしっかり動いてくれるので、体が芯から温まったり内臓が活発に動き始めたり、後は自律神経のバランスも整うのでホルモンバランスが改善されたりという効果がありますね。

呼吸法を学ぶだけでもメリットはすごくたくさんあるので、ぜひ呼吸は大事にしてみて欲しいですね。

セット数

1セット1分くらいで終わっちゃいますので、時間がないときでもサクッとできちゃうのが太陽礼拝です。

目安としてはこの一連の流れを大体3~5セットくらいやるのが理想ですね。

ただ、朝起きて目覚めが「スッキリしないな―」と感じるときには1~3セットやってみるだけでも十分スッキリしますし、「心地よく体をほぐしたい」「もっと温まりたい」時には10セットくらいやっても大丈夫です。

これはあくまで目安に過ぎず、何セットやるかはその日その時の気分のさじ加減で大丈夫です。あまり深いことは考えずチャレンジしてみてください。

スペース

自分の手足をしっかり伸ばした時にストレスなく広げられるスペースがあれば十分です。

小柄な女性なら一畳、大きい男性なら二畳分くらいあれば大丈夫かなと思いますね。

太陽礼拝(ゆるめver)

こちらはストレッチやリラックスしたいときにオススメの太陽礼拝です。

体の固い方や高齢の方、「今日はゆっくりほぐしたいな」という方にオススメのメニューになります。

太陽礼拝(キツめver)

こちらはダイエットや一汗をかきたいときにオススメの太陽礼拝です。

「しっかり体を動かしたい」「しっかりめの動いた感が欲しい」という方にオススメのメニューですね。

初心者の方はケガに注意!

初心者の方が注意してほしいポイントはケガ

――家で自分でやる時の注意点や落とし穴みたいなポイントはありますか?

まず”頑張りすぎない”というのは気をつけて欲しいことかも知れません。

筋トレと一緒で「限界を超えたい!」と頑張ってしまう方がたまにいるのですが、そうすると本来緊張させたくないところにも負荷をかけてしまいケガへと繋がりやすくなります。

特に多いのは腰痛もちの方が腰回りを頑張って腰痛を悪化させたり、足首とかひざなど…主に関節周りですね。ここに負荷をかけすぎて痛める人は結構多いかもしれないです。

――関節周りのケガは怖いですね…。

そうなんです。でも動きたい方ってガッツリやらないと達成感を得られないので「やった感がない=できてない」と勘違いしがちで。

そうではなくて「あっここ気持ちいいな」「ここすごく伸びてるな」とかそういう目線をメインに考えて練習してみると良いのかなと思います。

やった感がないとソワソワしちゃう気持ちもわかりますが腹六分目くらいで十分なんです。

最後に…

ヨガとは「人生を豊かにするためのツール」

初めての方に「ヨガってなに?」って聞かれたときは壮大になっちゃうんですけど「ヨガは人生を豊かにするためのツールだよ」という風にお話をしています。

「痩せたいからヨガをする」「ストレスフリーな生活を送りたい」「女性らしいしなやかな体に」など皆さんいろいろな目的があると思いますが、その目的が達成されたとき人生や日常はより良い方向に変わっていくものです。

ヨガはどんな形で始めても良いものなので、ぜひ一度動画を真似してみるだけでもやってみて欲しいですね。

参考文献
  1. 厚生労働省 「ストレス関連疾患に対するヨガ利用ガイド 医療従事者用」