猫背になってしまう原因とは
ズバリ、結論から言うと猫背は筋力の不足から起こる症状です。
本来は背骨は背中の筋肉によってまっすぐ支えられているのですが、この筋肉が弱くなってしまうと猫背という丸くなった状態になってしまうんですね。
このとき、特に不足しているのは広背筋や僧帽筋、脊柱起立筋といった上背部の筋肉で、他にも肩甲骨が開いているのでそれを寄せるための菱形筋なども大事な要素になります。
猫背の方は重力に負けて背骨がまっすぐ支えられない状態になってしまっているので、これをまっすぐに改善するためには僕はやっぱり筋トレが一番だと思いますね。
その一方でストレッチも必要
後は、猫背の方は反対の胸側の筋肉が固くなっていることが多いので、ここはストレッチをした方が良いですね。
なので、背中側には筋肉をつけつつ胸側の筋肉はストレッチでほぐす、この2つのアプローチを両方合わせてやっていくのが効率良く猫背を改善していく方法になります。
筋トレと言っても必要なのは筋肉を肥大させるような激しいものではなくて、日常生活の中で筋肉が働きやすくするために刺激を入れる程度のレベルなのでご安心ください。
でも、それを取り入れるだけでもやはり背筋はまっすぐ伸びてくることが多いですね。
やはり日常の中でいかに背中が丸くなっているかというところの逆を行かなければいくら意識しても今の姿勢は変わらないんです。
猫背が体におよぼす悪影響
これはどの部位の筋肉についても言えることですが、筋肉は前と後ろの長さが程よく保たれている状態が一番血液循環が良くなるんです。
なので、首や頭の位置は肩の上にあるのが自然なバランスで望ましいのですが、猫背の方はそれが前に出てしまっているわけです。
そうなると、首や肩に必要以上の負担がかかってしまい血液の循環が悪くなるので、慢性的な首の痛みや肩こりに悩まされたり酷くなるとストレートネックになり頭痛やしびれなどの症状が現れることもあります。
また、猫背になると背骨の関節同士が丸まった状態で固まってしまうというのも挙げられます。
本来、関節同士は油が挿さった機械のように軟骨がなめらかに滑るはずなのですが、関節同士が固くなると胸を張ろうとしても軋むような感じでなかなか動いてはくれないんです。
関節に動きをつけるようにしなければ関節同士の固まりは改善しないので、そこも踏まえるとやはり改善のためには運動が良いという結論になりますね。
女性の方に多いパターンの猫背
女性は男性に比べて背筋が弱い傾向があるので、多くの方がどうしても首が前に出てしまいがちです。
また、女性は骨盤の形状的に反り腰になりやすいので、一見良い姿勢をしているように見えても実は腰椎周辺の筋肉だけで無理やりバランスを取ってしまっている場合があります。
それを正常なまっすぐの状態にするとようやく上背部の方が働くのですが、そういう方はまっすぐ立つことが疲れて耐えられないので、それは「明らかに筋力不足ですよ」ということになりますね。
猫背かどうかのセルフチェック
こういう場合が猫背という定義がないので一概には言えないのですが、「耳と肩と腰のラインを地面に対してまっすぐにしたとき3~5分間耐えられるか」というのは一つの目安になると思います。
このとき、特に女性は腰が反ってしまう傾向があるのですが、そうなると何の意味もないので必ず耳と肩と腰のラインが地面に対して真っ直ぐになっている状態を作るようにしてください。
今の時代はスマホがあるので、自分のスマホで3~5分間動画を撮影してみるというのが客観的に見れるのでオススメですね。
ちなみに、これは日常生活を送っている人ならできて当然というレベルのもので、もし姿勢をキープできない人がいたらそれはかなり危険な状態だと思ってください。
後は、日常の様子を周りの人に隠し撮りしてもらって「あからさまに猫背になっていないか」「腰が反りすぎていないか」というのをチェックしてもらうのも手ですね。
反り腰かどうかのセルフチェック
特に女性の方は反り腰になる方が多いので、猫背のチェックと併せて以下に挙げる反り腰のチェックも行ってみてください。
(※セルフチェック①と②のダブルチェックになります)
かんたん反り腰セルフチェック①
かんたん反り腰セルフチェック②
- 立ったとき骨盤の一番上部分の前後に指を当ててみる(他の人に手伝ってもらうのがおすすめ)
- このとき、前の高さと後ろの高さの差が指1~2本分以上ないかチェックする
- もし、指1~2本以上の差があって前が低いようだと骨盤が前傾していて反り腰気味
猫背の改善に効果のあるストレッチ・筋トレ
背骨はまっすぐ立つことで自然なS字のカーブを保てているのですが、普通に座って物を書いたりパソコンを打ったりとなるとどうしても頭が肩よりも前に出てしまいがちです。
その時間が長ければ長いほど、それだけ筋肉にストレッチがかかった状態になるので、戻そうとしても戻す筋肉が使えないということになります。
なので、僕は「いかに座る時間を少なくするか」というのが改善のためには必要なことだと思っています。
立ちっぱなしじゃなくても良いのでウォーキングをするとか歩く時間を増やすだけでも手っ取り早い簡単な改善策にはなりますね。
また、その他に以下のエクササイズも猫背には非常に有効なのでぜひ参考にしてみてください。
ストレッチポールを利用したトレーニング
まず一番にオススメしたいのはストレッチポールを利用したトレーニングです。
これは最悪あごを引いて寝ているだけでも腕の自重で肩甲骨が寄ってくれるので、これ以上楽なことはないですね。
ただ、もう少し元気があれば以下の動画のストレッチを実践してみてください。
動画ではストレッチポールがない方向けのストレッチも紹介していますので、持っていない方もご安心ください。
グッドコアを利用したトレーニング
さらに、もしお家にグッドコアのようなグッズがある方は以下の動画のストレッチを行うと、猫背改善と同時にウエストのシェイプアップもできるので非常にオススメです。
普段の生活で猫背を解消する方法
座り方
普段の生活で背骨はまっすぐ立てるためには、まず最初に正しく座る姿勢を覚えるところから始めると良いかなと思いますね。
電車の中やオフィスなどで1日1回3~5分でも良いので、
- 耳と肩と腰のラインが地面に対して真っ直ぐになっている
- 坐骨がしっかり座面に当たっている状態で頭をなるべく遠くに引き離す
この状態をキープしてジッとするのをやってみるだけでも1ヶ月後には全然違ってくると思います。このとき、首が前に出がちなので意識的にあごを引いてみるというのが気をつけるポイントになります。
もし、それだけだと全く面白味がないという人は、この状態で深呼吸しながらその日あったことを振り返る時間にしてしまうのも良いでしょう。
立ち方/歩き方
正しく座り姿勢が身についたら、後はその姿勢をベースに立ったり歩いたりといったことを行っていただければ大丈夫です。
正しく座り姿勢が身につくとアゴをひく筋肉がはたらきはじめるのですが、そうなると“正しい座り姿勢の目線の感覚”で歩けるようになるので、実感としてわかりやすいかと思いますね。
猫背の矯正グッズって必要?
また、猫背矯正で背中をバンドで引っ張って強制的に胸を張るグッズが昔からありますが、あれをやってしまうと猫背は治らず反り腰になるだけだと思うので正直オススメではないですね。
そもそも、猫背は腹筋や背筋をはじめ体のいろいろなところに問題がある結果、症状として現れてきているものなので、道具で使ってただ単に後ろに引っ張るだけで改善されるということはまずありません。
逆にそんな簡単に治るのであれば、誰も猫背で悩んだりはしないはずですよね。
反り腰ならまだ良いですが、酷くなると腰痛といった問題も招きかねないので、知見のある方以外は辞めたおいた方が良いでしょう。
最後に…
体の姿勢はバランスですから、首が悪い人は大体腰も悪いという風に体の不調というのは連動していることが多いです。
なので、問題を解決するためには部分ではなく全体にアプローチしていく必要があります。
その分、大変で面倒なこともありますが、逆に言えば改善することによってウエスト周りがシェイプされたり便秘が改善したりといった全身の体調が良くなる効果も得られます。
なので、慢性的に体の不調を感じているような方にこそ、ぜひ改善にチャレンジしてみて欲しいですね。