ヨガは体に良いとはわかっていてもなかなか続かなくて、習慣化するハードルの高さみたいなものってありますよね。
そんな方におすすめなのが朝と夜にベッドの上で寝たままできる朝ヨガ・夜ヨガです。その効果からメニューまでヨガトレーナーの五十嵐由奈さんに詳しく教えてもらいました。
誰でもラクラク?寝たままヨガとは
――寝たままで行うヨガって普通のヨガと比べて何か違いはあるんでしょうか?
実はこういう寝たまま行うヨガはヨガニードラという流派で、体を動かすヨガに比べると瞑想やマインドフルネスのような効果も得やすいのかなと思います。
その他のメリットとしては、
- 疲労やストレスが取れる
- 自律神経の乱れが整う
- ホルモンバランスの乱れが整う
といったことも挙げられますね。
特に現代的な日常生活では「体に必要以上に力が入っている方」「過度に体が緊張している方」がすごく多いので、仰向けになって体の力が抜いてじっくり伸ばしてあげると全身がすごくリラックスできますよ。
――自律神経やホルモンバランスというと具体的には…?
例えば自律神経であれば疲れやすい、不眠、動悸などで、ホルモンバランスであれば生理周期の乱れなどが代表的な症状になります。
自律神経やホルモンは全身にはたらいているものなので、そこが整うと不定愁訴(体の体調不良)も改善されやすいのかなと思います。
――なるほど、加えて寝ながらなら誰でも簡単にできそうですね。
そうですね、運動負荷も低いので高齢者の方や初心者の方でも特に取り組みやすいと思います。
ただ、逆に言えば体を動かして”ガッツリ効かせる”みたいな点ではちょっと難しくはあるとも言えますね。
どの時間帯にやるのがおすすめ?
――「この時間にやるのが効果的」のようなコツはありますか?
いえ、特にはないのでどの時間帯にやっていただいても大丈夫です。
ただ、何事もそうですが朝でも夜でも自分の決まった時間にルーティン化してしまった方がその日その日で効果や体調の違いを感じやすいです。
「この動きで体が変わったんだな」「これでは変わらなかったから違うものを取り入れよう」など自分に合う運動・合う習慣を作れるのでヨガへの習熟度もより深まりやすいと思いますよ。
――朝と夜でメニューは変えた方が良かったりしますか?
はい、それは変えた方が良いと思いますね。
朝はどちらかと言うと「これから頭や体を動かしていくぞ」という時間なので体を起こすちょっとアクティブな動きや胸を開いて深く呼吸をしやすい状態を作る動きがおすすめです。
逆に夜は力んでいた体を緩めたり解したりする時間を作って欲しいので、関節周りを中心にマッサージを取り入れたりするのが良いですね。
動画で見る寝たままヨガのメニュー
それでは早速、朝ヨガと夜ヨガそれぞれのメニューを紹介していきます。
数分程度で実践できる簡単なメニューですが、忙しい方向けに朝も夜も10秒でできるさらに簡単なルーティンも紹介していますので、ぜひ試してみてください。
朝ヨガ編
朝はしっかり体を目覚めさせて欲しいので、もしできるようなら一度起き上がってカーテンを開けてから取り組めるようだとベストです。
陽の光を浴びることで眠気ホルモンの分泌が抑制されるので、目覚めもスッキリで日中も活発に過ごすことができますよ。
朝ヨガで体を動かした後は、1~2分でも瞑想の時間を取り入れてあげるのがすごくおすすめです。
「吸ってるな」「吐いてるな」という自分の呼吸に意識を向けてあげると、より深く自分のコンディションを知ることができてその日1日の体と心の落ち着きにもつながっていきますよ。
忙しい方のための朝ヨガ編
忙しい方はこちらのメニューを行っていただくだけでも朝の目覚めにつながりますし、ルーティンにもしやすいのでぜひ実践してみてください。
夜ヨガ編
夜寝る前はスマホはなるべく避けて…と言いたいところですが、夜はやっと一息つける自由な時間なので全く使わないのも逆にストレスですよね。
なので、ケアもまずは「画面の光量を気持ち下げてみる」くらいの無理のないところからはじめてみるくらい十分ですよ。
動きに慣れてきたら、夜は体を動かしながら1日の振り返りも同時にやってあげるのもおすすめです。
反省会にはせずに「今日はここがすごい疲れてるから良く使ったんだな」みたいに体を労ってあげると自分の体についてより深く知るきっかけになります。
忙しい方のための夜ヨガ編
なかなか寝付けないなと思うときは追加でこの動きをやってあげると体がリラックスして寝付きやすくなりますよ。
朝ヨガ・夜ヨガの注意ポイント
――ベッドの上で動くと腰が沈むのが気になりそうですけど、そこは大丈夫なんでしょうか?
マットの柔らかさにもよりますが、もし気になるようであれば腰のカーブの部分にバスタオルを丸めて置いてあげるだけで負担が軽減されますよ。
それでも調整が難しい場合は座ってやるメニューと瞑想だけ、に簡略化してしまっても全然大丈夫なのでご安心ください。
――他にも気をつけた方が良いポイントはありますか?
朝は体が起きたばかりで本調子じゃないのと夜は疲れていると思うので、あまり頑張りすぎないように動くのがポイントですね。
特に朝は目覚めようとして無理してしまいがちなので、「気持ち良く朝を迎えていこう」くらいのテンションで挑んでみて欲しいかなと思います。
最後に…
ベッドの上での寝たままヨガは正直そこまで本格的な動きではありませんが、だからこそ初めるきっかけとしては最適で高齢者の方や初心者の方でも取り入れやすいと思います。
今回紹介したメニューも面倒くささも極力省いてメリットだけを良いとこ取りできるような内容になっていますので、忙しい現代人の方にこそぜひ一度試してみて欲しいですね。