ヨガは生理痛の予防・緩和に役立つ…というイメージはなんとなくありますが、実際は効果があるのかないのか。
今回はヨガトレーナーの五十嵐由奈さんにヨガの強みを詳しく教えてもらいました。
そもそもヨガは生理痛に効くのか
――早速ですがヨガは生理痛に効くんでしょうか?
全員に効くかと言われるとそれは難しいですけど、ヨガが生理痛の緩和がつながる可能性は高いと思いますね。
体って動かしてあげると強張って緊張していた筋肉が解れて温まるんですけど、それで痛みも和らぐんです。
後は体を動かしたことによるスッキリ感で気持ちも晴れやかになりますし、何かしらの効果は感じられるのかなとは思います。
――ストレッチで解すのとは何か違うんでしょうか。
正直痛いところの周辺を解したり温めたりするだけでも十分なんですけど、ヨガならではの強みで言うと呼吸というのは1つ挙げられるかとは思います。
生理痛ってホルモンバランスや自律神経が整うことがすごく重要なんですけど、実はこれは呼吸とも繋がりが深いものなんです。
ヨガで呼吸を深く吸ったり吐いたりできるようになることでどちらも改善されてくるものなので、これはストレッチにはないメリットですね。
――実際の生徒さんとかも軽くなっていたり?
全然しますよ。ヨガを始めてから皆さん生理痛が軽減したって話はすごい仰いますけど、生理痛が重くなったっていう話はまず聞かないですね。
ただし、無理に動くのは禁物!
――あまり生理中の真っ只中の痛みを改善するものではない?
それはないかなと思います。ヨガは薬ではないですし、それで治るならみなさんヨガをやってるはずなので。
辛い時は無理して動かずしっかり休むのを優先して、動ける時だけ適度に動いて…と比較的長期で改善していくイメージが正しいですね。
「やったから良くなる」ではなくて「やることで良くなるための気づきが得られる」という感じでしょうか。
生理痛を緩和させるポーズ
では具体的にどんなヨガのポーズを取っていけばいいのかを解説してまいります。
生理中でも結構頑張らないとって思ってしまう方は多いんですけど、期間中は本当に体に負担のかからない範囲で動かしてあげることが大切です。
簡単すぎるように見えるかもしれませんが、「頑張らなくていいんだよ」というのも一つ知っておいて欲しいかなと思いますね。
動ける時用のヨガポーズ
まずは負荷の少ないポーズから。「えっ、このくらいでもいいの?」と拍子抜けかもしれませんが、これでも十分なのでご安心ください。
目安としては「ちょっと動いてすっきりしたかも」程度で大丈夫です。
生理痛の緩和に役立つマッサージ
さらに動ける時用のヨガポーズ
もう少し動けるようなら陰ヨガの月礼拝なども非常におすすめです。
月礼拝は下半身に特化したヨガのポーズで、骨盤・股関節周りを使うことで冷えやむくみも改善しやすいですし、骨盤の歪みにも役立つので余裕があればこちらも挑戦してみてください。
月礼拝のポーズ
――特に生理痛を緩和するのに特化した動きとかはあるんですか?
そういうものはないですね。
それに単純に「生理痛だからこういうポーズ」みたいにアプローチすれば生理痛が緩和されるということではなくて、どちらかと言うとバランスが大事になります。
そもそも生理痛の悪化はいきなり起きるわけではなくて食生活や運動習慣、ストレスなど自分の中で何か環境が変わったりしていることが多いです。
なので生徒さんには体を動かすことだけじゃないよっていうのは1つ改善の方法として伝えていますね。
――環境の変化で生理痛にもそこまで大きな変化が?
はい。ホルモンバランスは心や腸のはたらきがすごく大事なもので、例えば幸せを感じづらい状態だと幸せホルモンのセロトニンも腸から分泌されづらくなってしまいます。
セロトニンは女性ホルモンとのつながりも深いものなので、今幸せを感じづらい状態にいるとか、腸のはたらきが乱れるくらい消化力が弱まってると生理痛も起きやすくなります。
なので、実際にはそもそも生理痛が悪化するようになったきっかけとか日常生活とかを詳しくお伺いすることも多いです。
その上で「食生活の改善をどんな風にしていきますか?」「変わったきっかけってどんな感じですか?」となるんですが、そういうところがすごく大事かなと。
――いきなり起こることがないとのことですが、生理痛の有無や痛みの強さは心身の置かれている状況が反映される要素が強い?
ですね。それが一番強いです。
昔から心が繊細だったりして色々なことをちょっとマイナスに捉えやすい方とかってそれが痛みに反映されやすかったりもするので。
もう少し考え方の工夫ができるようにアプローチをさせたりとか、そういうところも結構大事なのかなと思いますね。
ヨガ以外で生理痛に効く要素
――環境の話がありましたが、他に痛みに影響するものはあったりしますか?
ストレスがやはり要素としては一番大きいかもしれないですね。ストレス1つで体調崩したりすることもよくありますし。
睡眠障害や自律神経の乱れ、暴飲暴食なども基本的にストレスから来るものなのでストレスの受けづらい環境に身を置くようにするとか。
――そう考えるとストレスの多い現代人は生理のお悩みもすごく多いのかもしれないですね。
そうですね。でも結局ストレスって避けては通れないものなので、そこはストレス耐性をしっかり作れるようなメンタルケアを心がけるのもおすすめです。
ストレス”ありき”でケアをしていくということですね。
特にコロナになって家にいる時間がすごい長くなってるからこそ一人で抱え込みやすい人って今はすごく多いと思うんです。
人と話すことが減ってたり運動機会が減ってたりする方も多いと思うので、発散方法を身に付けてあげるのも大事なのかなと思いますね。
例えば私の場合はネットショッピングとかで買い物で発散することが多いんですけど。
――これは発散って決めて行ってる感じ?
そうですね。必ずしも体を動かすって必要はなくて。好きな香りをかぐでも好きな音楽聞くでもいいし、いつもと違う道で帰ってみるとか気が晴れるようなことをしてみたり。
必ずしもお金をかけたりする必要はなくて、そういう毎日のルーティン化してることをゲーム感覚で変えてみるだけでも違いや発見があると思います。
せっかく同じ毎日を過ごすならちょっとでも楽しく過ごせるような遊び心って結構大事だと思うので参考にしてみてほしいですね。
最後に…
実は生理については私自身もずっと悩んでいたものがヨガで改善できていたりもします。ちゃんと薬飲まなくても来るようになったり腰がいつも重くて痛かったり…。
それまで病院通っていたくらいなのに始めてからすぐ症状が治まって「あっ、ホルモンバランスが整ってきてるんだ」と実感できたので本当に驚いたので、みなさんもぜひ騙されたと思って一度チャレンジしてみてください。