枝毛・切れ毛はなぜできるの?美容師が教える髪の毛が痛む原因と予防法

秋山俊
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秋山俊美容師

枝毛・切れ毛ができる原因とは?

枝毛や切れ毛の原因は共通していてどちらも髪の毛へのダメージが蓄積した結果起こるものになります。

なので、根本的にはどちらも同じようなもので毛先にダメージがあれば枝毛になって、根本や中間にダメージがあれば切れ毛になって…というイメージですね。

カラーやパーマが原因の場合

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原因の1つとして、カラーやパーマといった薬品の影響で枝毛・切れ毛ができてくるというのはまずありますね。

例えば、カラーはキューティクルを開くことで髪の内部にカラー剤が入っていき発色する…という仕組み[1]なのですが、これが開きっぱなしになっていると毛髪内部のたんぱく質やアミノ酸がどんどん抜けていってしまうんですね。

そうすると、どんどん髪の毛が弱くなっていき枝毛や切れ毛がどうしても起こりやすくなってしまいます。

カラーのために一度開いたキューティクルは自動的に閉じることがないので、すぐトリートメントやコンディショナーを使って栄養素を補充したり抜けないようにカバーしてあげる必要がありますね。

ヘアサロンでは施術の最後にケアすることが多いので心配ないのですが、セルフカラーの場合はセルフケアが必須なので特に気をつけたい部分です。

普段のケアに問題がある場合

しかし、そういった施術を特にしていなくても自然に起こってくる場合ももちろんあります。

例えば、普段使っているドライヤーとかアイロンの熱による乾燥です。髪の毛は70~80度の熱風が当たり続けるとダメージになりますが、無駄に熱を加えがちな方は枝毛・切れ毛などが出てきてしまいます。

また、クシでとかす時のブラッシングに問題があったり髪が濡れたまま寝がちな方など物理的なダメージを与えてしまっている方も実際多いですね。

後は、髪の毛がロングになればなるほど毛先の方は長期に渡ってのダメージが蓄積してくるので、そういう方もどうしても枝毛・切れ毛が起こりやすくはなってしまいます。

枝毛・切れ毛のセルフチェック

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枝毛の見つけ方

枝毛は毛先に起こるものなので、毛先から10cmほどの部分をつまんでみて先端が枝分かれしてないかどうかチェックしていくのが良いですね。

枝毛になった部分は毛束から飛び出してくることが多いので、目視でも割と簡単に見つけられると思います。

ロングの方は特に襟足に多く起こりがちなのですが、これはセルフチェックが難しいので周りの方や美容師に見てもらった方が確実ではあります。

切れ毛の見つけ方

落ちている髪の毛を引っ張ってちぎるとわかりますが、髪の毛は切れるときにヒュッとくせ毛のように縮れて戻りますよね。

切れ毛が多い方は、髪の毛をスタイリングした直後でもそういう短い髪の毛がアホ毛のように途中で飛び出ていることが多いですね。

もし、鏡を見たときに飛び出している毛が多いようだと、切れ毛がたくさん発生している可能性があります

枝毛・切れ毛の処置

もちろん裂いたりちぎったりはNGで、基本的にはハサミでカットしてあげる形になります。

枝毛については、毛先を少しカットしてあげることで今ある枝毛はかなりなくなると思います。ただ、1回枝毛になってしまった髪はどうしても再発しやすいので応急処置的な形にはなりますね。

切れ毛については、トリートメントによって飛び出しを抑えることができるのでカットする必要はありません。どうしても気になって仕方ないのであればカットしても良いですが、根本から切ると短い毛がまた出てきてしまうので注意が必要ではあります。

枝毛・切れ毛ができるのを防ぐためには…

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カラーやパーマが原因の場合

これは難しい問題で正直な話、効果とケアはどちらを取るかという選択にはどうしてもなってしまいますね。

もしヘアサロンであれば施術前・施術中のトリートメントを全部オプションでつけることである程度防ぐことはできると思いますが、完全に…というのは難しい場合もあるかもしれません。

普段のケアが原因の場合

ブラッシング

くしでブラッシングするときに、根本からとかし始めて中間で引っかかったらガッガッと力を入れて解決する人が良くいるのですが、これは絶対NGです。

ブラッシングのときはまず絡まっている毛先を丁寧にほぐしてあげてから、中間、根本という逆の順番で整えてあげるようにしてください。

特にお風呂上がりの濡れているときは、乾いているときよりも絡まりやすいので注意が必要ですね。少し気を遣いますが、実際とかし方はかなり大事な要素だと思います。

ドライヤー

髪は濡れていると水を含んで膨張しますが、このときは乾いている状態よりも摩擦の影響を受けやすいんですね。

なので、濡れたまま寝てしまうと枕と髪の毛が擦れてキューティクルがとても傷みます。特に髪の根本は水分が残りやすいのでドライヤーでしっかり乾かしてあげましょう。

ブローは水分が残りやすい根本からまず乾かすように動かすのがポイントです。根本を乾かしているうちに毛先も自然と乾いてくるので、後は最後に全体的に仕上げてあげるイメージですね。

逆に乾きやすい毛先から乾かし始めてしまうと、オーバードライという毛先が過乾燥の状態になってしまうので、絶対にやめた方が良いです。

アイロン・こて

アイロンやこては熱があたってる時間が長ければ長いほど傷むので、長時間同じ場所にあてないのがポイントです。

温度設定は操作が苦手な方は低めでゆっくりめに操作すれば良いと思いますし、手際よくパッパと巻ける方であれば高め設定でも大丈夫ですよ。

トリートメントとコンディショナー

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割と勘違いしている方が多いのですが、トリートメントは髪の毛の内部に栄養を浸透させる役割、コンディショナーは髪の外側をコーディングする役割がそれぞれあります。

シャンプーしてトリートメントしてコンディショナーなら良いのですが、もし先にコンディショナーを使ってしまうとコーティングされてトリートメントが入りにくくなってしまいます。

枝毛・切れ毛の予防には内部に栄養を補充してくれるトリートメントの方がとても重要な役割を果たしてくるので、もし間違えた順番でやっている方がいたらこれは改善した方が良いですね。

最後に…

美容師としてお客さまを見ていると、女性の方でもヘアケアは意外と間違えている方が多くいらっしゃる印象です(もちろん男性もですが)。

ただ、逆に言えばそういった方の枝毛・切れ毛は大体改善可能なので、ぜひ日常生活の髪の毛の扱いについて見直してみてください。

参考文献
  1. 髪が染まる仕組み (ヘアカラーで髪の毛が染まる仕組み )