プロに聞く髪の毛のツヤ・コシ・ハリの正体から改善する方法まで

牧主昇
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牧主昇美容師

何となく髪の毛に良いものというイメージはあるけれど、「具体的に何のこと?」と聞かれると実は意外と良くわかっていないハリ・ツヤ・コシ。

そこで今回はBeautism clock 春日店のスタイリスト・牧主昇さんにハリ・ツヤ・コシの正体から改善の方法まで細かく教えてもらいました。

髪の毛のツヤとは

髪の毛のツヤとは見た目的な光沢

――早速ですが、髪のツヤとは何のことを指すのでしょうか?

ツヤは髪の毛表面の光沢を指すことが多くて、これは主に

  • 髪の水分量
    髪の内側に水分やコラーゲンなどの保湿成分が詰まっている方が髪同士も吸着してツヤが出やすい
  • 髪の表面の形
    キューティクルが整っている状態だとツヤが出やすい

で変わってくるものです。

子供の頃の髪が艷やかで触り心地が良いのは中に栄養分が詰まっていて保湿力もあるからなのですが、これは年齢を重ねるごとに失われていくもので次第に細く柔らかくクセが出やすい髪の毛になってしまうんですね。

年齢を重ねた方の髪にツヤが出にくくなってくるのは髪の中の水分量が保持しづらくなっている…という影響が大きいと思います。

――髪の毛は死んだ細胞なのに加齢による影響が大きいんですか?

はい、そうなんです。これはツヤに限らずハリとコシについても言えることなのですが。

やはり歳を取ると細くクセの強い毛が多くなってしまうので外気の水分に反応しやすくなったり、浮いて乱反射してしまいツヤ感のないバサバサ髪に見えてしまったりします。

「じゃあストレートにしたら良いんじゃないか」とは言っても毛量が細く少なくなっているのでペタっと見えてしまったりもしますし、そこは相談させていただくことが多いですね。

――ツヤは髪の健康のバロメーターとも言えそうですね。

そうですね、ツヤがあるから健康的に見える…というよりかは健康的な髪だからツヤが出やすいというのはあると思います。やはり髪が艷やかな方が健康的な傾向はあります。

ただ、今は技術もすごい進歩していてツヤは技術で出すこともできますので、髪の毛のクセが強かったり加齢で栄養分が失われている方も諦めてしまう必要はないですね。

改善の要素は頭皮のケアだったり食生活・ストレス・睡眠、施術による改善、内側へのアプローチ(トリートメント)などなど…たくさんあるのでまずは担当美容師さんに相談してみてください。

髪の毛のハリとは

髪の毛のハリは引っ張った時の縦の強さ

――次に髪のハリは何のことを指すのでしょうか?

ハリは髪の毛の縦方向の強さを指すことが多いですね。1本の髪の毛で大体コーヒーカップ1個分の重さを持ち上げられるくらいだと健康的と言われています。

私たちの場合は触った感じである程度判断できますけど、みなさんがセルフチェックされる場合はまずカップを吊ってみるのがわかりやすいと思いますよ。

――ハリがあると何か髪にも良いことが?

はい、髪自体がしっかりして弾力があるので外側からのダメージに強くなります。

カラーやパーマを入れたときのダメージ具合も違いがあって、すごい色々な施術をしているのに髪が傷んで見えないのは大体ハリが強い方ですね。

後は「ハリのある髪の毛ってツヤも出やすいよね」は関係してくる部分もあって髪の内部の水分量が多い方が切れ毛も少ないですし、逆にハリがある髪の毛は光沢も出やすいです。

――猫っ毛の方はどうすれば…?

遺伝で弱い髪が生えやすい方や不摂生で弱っている方など色々な方がいますが、それでもきちんとしたヘアケアで改善できる部分は大きいです。

うちに通っている方はやはり通われていくうちに髪質が良くなっていく方も多いですし、意外とその後の努力次第だと思いますよ。

女性の場合だと特に20代後半~30代くらいから髪の毛のハリ・コシがなくなってきたなと感じる方が多い印象で、触った時に

  • 「最近ボリュームがなくなったな」
  • 「スタイリングしても立ち上がりが悪くなったな」
  • 「分け目が気になりやすくなったな」

と感じるようだと要注意かもしれません。これは加齢以外にも妊娠・出産などライフスタイルが変化しやすいという部分も大きいですけども…。

――まさに当てはまってるかもしれません…。コシは強ければ強いほど良いんでしょうか?

あるに越したことはないですけれども、実は表現のしやすさという点だとそれぞれメリット・デメリットがあります。

例えば猫っ毛だとカールがつきやすいけどコシが強いとパーマがかかりにくかったりしますし、善し悪しがあるので一概にどちらがダメというわけでもないんです。

逆にハリ・コシがありすぎて痛みづらいけど「髪の毛がまとまらなくて扱いづらい…」という方も実際に多くいらっしゃいますから、これはないものねだりに近いかもしれません。

その時のトレンドによってみなさんの求めているものも違いますし、美容師ができるのはそこをどう表現するかのお手伝いだと思っていますね。

髪の毛のコシとは

髪の毛のコシは曲げた時の横の強さ

――最後に、髪のコシは何のことを指すのでしょうか?

コシは髪の毛の弾力(横方向の強さ)を指すことが多く、曲げた時に戻るゴムのような反発力のことを言います。うどんもよく「コシがある」と表現をすることがありますが、これと同じですね。

ハリとコシはセットで言われることが多くて、別物なんですけれども同じもののように考えることもできる…という関係です。

――コシは傷みにくいというメリットがありましたけど、ハリが強いと何か良いことはありますか?

ハリと同じで「強さ」という表現が近くなってしまうんですが、ダメージに強いしっかりした髪の毛になりますね。

見た目的にはしっかりして立ち上がりがあるのが特徴でショートのときでもペタッとしないしボリュームも感じやすくなります。

そして、この弾力は一番年齢の影響が出やすい部分なので、指に巻き付けてみて離したときの戻りの強さは時々セルフチェックしてみても良いかもしれません。

――すでにハリ・コシが失われている時はどうすれば…?

トリートメントでのケアでハリ・コシを出してあげるのも必要なところですが、それと同じくらい重視しているのはそういう髪を増やさないための頭皮のケアですね。

頭皮ケアはトリートメントほどパッと目に見える変化もなくて地味ですが、長期的なケアを考える時は絶対に欠かせない大事な要素です。

ポイントは頭皮のケア

トリートトメントと同じくらい頭皮のケアが重要

――頭皮のケアがハリ・ツヤ・コシに効くんですか?

はい、そもそも髪を作る組織は頭皮からの血流で酸素・栄養が行き届くことで初めて健康的な髪の毛が生えてくるものです。

髪が表面に見えているのでついつい髪のケアばかりに力を入れがちですけど、その前段階の頭皮・食生活から気にしていくのが真のヘアケアだと思っていますね。

頭皮が衰えれば「抜け毛が増えて薄毛に…」「毛自体も貧弱も…」、といったことが出てきてしまうので育毛の観点からの影響は実はかなり大きいです。

――頭皮のケアと言えばやはりマッサージとか?

それも大事ですけど、やはり一番のベースになる大事な部分は健康的な食生活と良質な睡眠ですね。人の体は全部そうだと思うんですけど、やはり体は摂取したもので作られていますので。

頭皮のマッサージはその次です。特に人間の頭頂部は筋肉がない部分なので積極的に自分から動かしてあげるのが大事になります。

毎日1分ご自身で頭皮を動かしてあげるだけでも全然違いますし、ブラッシングも日課としてとてもおすすめです。

――ブラッシングも頭皮のケアになるんですか?

はい、刺激してあげること自体で血行も良くなりますし、例えば夜お風呂に入る前にしてあげると汚れが取れてシャンプーの効果も高まります。

最近はブラシを使う人も減ってきていると思うのですが、お悩みの方にはぜひ試してみて欲しいコスパのいいアイテムですね。

ヘアケアのポイントは食生活・睡眠、頭皮ケア、トリートトメント

――美容室のトリートメントは実はあまり意味がなかったり?

いえ、トリートメントも強力なヘアケアなのでそこまでベースを整えた上で美容室のシステムトリートメント、お家での洗い流さないトリートメントをしてあげるのがベストですね。

最近は毛髪強度の回復率を140%まで高めるトリートメントというのもあったりして、システムでもホームでもとても優れた商品が多いので、ハリ・ツヤ・コシを取り戻すなら

  1. 食生活・睡眠
  2. 頭皮ケア
  3. トリートメント

の3点を重視しながらヘアケアに取り組んでもらうと違いも実感しやすいと思いますよ。

まとめ

ヘアケアは1つを治せば全てが改善される

髪の毛というものはハリだけあってコシだけないということはなくて、実際のヘアケアは色々な要素が連動する複雑な仕組みになっています。

でも、逆に言えばきちんとケアができれば全てが改善するということでもあるので加齢や遺伝的な要素が強い方でも諦める必要はありません。

こういったお手伝いは私たち美容師が一番得意とする部分なので、お悩みがある場合はぜひ担当美容師の方に気軽に相談してみてください。

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