女性なら小さくキュッとした上向きヒップは誰しも憧れるものですが、実はバストと違ってヒップはキープできるもの…というのはご存知でしたか?
今回はヨガインストラクターの國府谷沙織さんにヒップアップに最適なトレーニングを詳しく教えてもらいました。
ポイントはトレーニングとストレッチ
――早速ですが、歳を取ってからのヒップアップって実際に可能なものなんでしょうか?
はい、もちろん可能です。
お尻って脂肪のイメージが強いかもしれませんが、実は身体の中では太ももに次いで2番目に大きい筋肉の塊なのでしっかりと使ってあげることで立体的に形作ることができるんです。
ただ、ヒップアップ=お尻のトレーニング…というわけではなくて実際は骨盤と股関節周りを整えてからでないと効果が出ないのでアプローチする時はストレッチの方がすごく大事だったりもします。
「ストレッチで骨盤調整してからトレーニング、最後もストレッチで終わる」の緩めて鍛えて緩めて終わるの流れが一番効率的ですね。
――トレーニングにストレッチを混ぜた方が効率的なんですか?
と言うより歪んだ状態の骨盤でトレーニングをしても効率が悪かったり逆効果になってしまうイメージですね。
例えば、骨盤が後傾していると構造的にお尻は常に下に垂れた状態になるのでいくら筋トレしてもヒップアップすることはないですし、逆に前傾しているとどうしても四角く角張った出っ尻になりやすいです。
骨盤が歪んでいるとそれに合わせてお尻の形も変形してしまうので、トレーニングの効果をしっかり伝えるためにはまず股関節・骨盤周りをストレッチで緩めてからが大事なんです。
遠回りに思えるかもしれませんが、骨盤を整えてあげると全身の筋肉が効率的に使えるようになってウエストシェイプやバストアップ効果も見込めるようになるので単純に一石三鳥なんですよ。
――ヒップアップがウエストシェイプにもつながる?
はい、人間はお尻の筋肉だけしか動かさないというのは逆に難しくて、動かそうとすると必然的に腹筋も背筋も足の筋肉も全部一緒に使うことになります。
なのでヒップのストレッチとトレーニングをしてあげることでウエストも引き締まりますし猫背も改善されてバストアップにもつながって…と全身のシルエットが改善されます。
骨盤や股関節は人体の真ん中にあるものですから、ここにアプローチしながら一緒にトレーニングも行っていくことで効率的に全身の美ボディメイクを行っていけるんです。
骨盤歪みのセルフチェックと整え方
――骨盤が歪むというのは実際どういう状態なんでしょうか?
歪むと言っても骨自体が曲がってしまうわけではなくて、日々の身体の使い方に偏りがあると積み重なって骨盤自体に傾きが生まれてしまう…というものです。
歪み方にもパターンがあるのですが、女性だと大体①+②、①+④という感じで複合してるケースが多いですね。
- 前傾後傾
- 左右差
- ねじれ
- 開き
生理で骨盤が1ヶ月ごとに閉じたり開いたりを繰り返すせいで整えても歪みやすかったりしますし、女性はなるべく日頃からケアして欲しいかなとは思っています。
――骨盤が歪んでるかって自分では気づきにくいですけど、整ったかどうか自分でわかるものなんですか?
それは簡単にセルフチェックできる方法があるのでご安心ください。
ただ、実際は股関節と骨盤周りを整えてあげると腰痛、むくみ、生理痛など色々な不調が解消されて身体がすごく楽になってくるので、そういう部分で効果を実感する方も多いのかなとは思います。
骨盤は身体の中心で背骨から足の骨まで全部骨盤から繋がっているものですから、それだけ影響も大きいんですね。
簡単セルフチェック
一番簡単な方法は身長測定の時みたいに壁に寄りかかった時に手の平を壁と腰の間に通してみることです。このとき、
- 前傾
手の平が2枚分(猫の手にしても)入ってしまう - 正常
手の平が1枚ギリギリ入るくらい - 後傾
手の平が入らない
となり前傾か後傾かが簡単にチェックできます。すき間が開きすぎたり狭すぎたりする方は要注意ですね。
また、鏡の前に真っすぐ立った時に
- 左右差
左右でくびれの高さや肩の高さが若干違う - ねじれ
腰や脚が片側だけ前に出たり引っ込んでる
のチェックも併せて行ってみてください。もし左右差があるようですとやはり骨盤が歪んでる可能性が高いので整える必要ありですね。
動画で見るヒップアップのメニュー
今回紹介している動画は①~④のどの骨盤歪みタイプでも皆さん共通して行っていただいて大丈夫なメニューになっているのでご安心ください。
ただ、本格的なアプローチをするには自分が①~④のどのタイプなのか知った上で必要なストレッチやトレーニングを見極めて取り組んでいくのがどうしても必要になります。
特に自己流の見よう見まねでジムのトレーニングやヨガのポーズをやっている場合は、前傾してるのにさらに前傾させるようなアプローチで余計骨盤を歪ませてしまったり…など体調不良や怪我を招いてしまう方も少なくないので要注意ですね。
腿に効かせるヨガのポーズ
腿や背中に効かせるトレーニング
腿や腹筋に効かせるトレーニング
また、動画をご覧いただいてもわかる通りトレーニングやストレッチは「どこにどう効かせるか」が重要になります。
例えば、トレーナーの方と全く同じように動いているつもりでは本当は足裏の力で押さないといけないものを膝の力で押してしまい、結果的に膝を壊したり…なんてこともよく聞きます。
やり方があまりよくわからない場合は気兼ねなく身近な専門家に相談してみてください。
普段の生活でできること
――他にもトレーニング以外で普段の生活で心がけた方が良いことはありますか?
やはり骨盤の傾きを助長するような生活習慣は良くないです。以下の項目に心当たりがある場合は気づいた時にすぐ直してあげたいですね。
- 足をクロスしない
- 片足重心にして寄りかかったりしない
- 同じ方ばっかりでカバンを持たない
- 猫背や反り腰になっていないか
あと、特にお尻に関しては潰れてしまわないように座りすぎないようにするのも心がけてほしいです。
――お尻が潰れるとは?
「座ってる=お尻の筋肉使わず重力に負けた状態」なので、長時間続くとお尻の筋肉を使わないからぺちゃんこになってしまうんです。要は筋力低下ですよね。
先ほどもお伝えした通り、お尻って本当に筋肉でできているので立体的に形作るためにはしっかり使ってあげることが大事になります。
なので、それこそある程度ボリュームがつくまでの最初のうちは週3~4でもトレーニングに取り組んでみて欲しいくらいですし、忙しい時は5分してあげるだけでもだいぶ効果が違いますよ。
おすすめはつま先立ち
――でも、仕事柄どうしても座り時間が長い方も多そうですよね。
そういう時はこまめに立って1回姿勢をリセットしてあげて欲しいですね。さらにできるようならおすすめはつま先立ちです。
つま先立ちはトレーニングにもなりますし、ポンプ作用がはたらいて血流も良くなるので老廃物が排出されて冷えやむくみも起こりにくくなります。
内側と外側それぞれの筋肉に効かせる簡単なメニューを紹介するので休憩時間やトイレ休憩の時などにお好みで行ってみてください。
- 内側の筋肉を刺激
吐きながらかかとを上げて吐ききるまでキープ、吸う息で下ろして吐きながらアップを繰り返す。 - 外側の筋肉を刺激
スピーディに1、2、3、4と行いふくらはぎに効かせるイメージで行う。
ただ、筋肉が緊張して張っている状態の人がやると足をつってしまうこともあるので、その場合は無理せずやめておきましょう。
水は飲むだけで巡りを改善
――足は水分を飲むとつりにくくなるという話も聞きますね。
そうですね、それにお水は飲まないと身体の老廃物も流れてくれないので美ボディメイクのためには必要不可欠です。
正直ストレッチやトレーニングをやっても水を飲まなければ効果も半減という感じなので意識して摂取して欲しいですね。
ただ、野菜ジュースやコーラなど砂糖たっぷりのジュースで補っていたりするとこれは最悪です。
身体の中で濾過するのも時間がかかってしまいますし、なるべくお水(せめてお茶)を飲んであげて欲しいですね。
最後に…
太ももとお尻の筋肉は身体の中で1番大きな筋肉の塊なので鍛えてあげればきちんとヒップアップしますし、それ以外に実は全身痩せにも効果があって取り組んでいくとシルエットも少しずつ改善されていきます。
結局全身はひとつに繋がってるものなので、バストを整えれば背中もきれいになるし、くびれができてヒップもアップ…という風に全身に連動していくんですよね。
特に骨盤は体の中心にあるものなので整えてあげることで全身の不調やボディライン改善に繋がってくるという仕組みです。
ぽっこりお腹になってしまいがちな方や下半身太りで「全然痩せれない」「食べなくても太っちゃう」みたいな方は骨盤を治せば体質も改善していけるものなので、思い当たる節がある方はぜひ取り組んでみて欲しいですね。