痩せ菌バクテロイデスの名前は最近よくメディアでも目にするようになって、その効果が嘘か真かと巷でも何かと話題になっていますね。
楽して痩せられるに越したことはないですが、果たして実際どんな効果がどの程度あるものなのか、美容家の中澤祐子さんにメリットから増やし方までまるっと教えてもらいました。
そもそも痩せ菌ってなに?
――単刀直入に聞きますが、そんな都合のいい菌があるんですか?
はい、実はあるんです。これはバクテロイデスという腸内細菌の一種のことで、ダイエットにおいては
- 脂肪の吸収を抑えたり脂肪燃焼の命令を出す短鎖脂肪酸を作る
- 短鎖脂肪酸が増えると食欲を落とす(GLP-1)というホルモンが分泌される
という役割を担ってくれています。
バクテロイデスは痩せ体型の方で多く検出される菌で、一方肥満度が高い方ほど腸内でこの菌が少ない[1]ことがわかっています。
よく同じものを食べていても「太りやすい」「太りにくい」ってあると思いますけど、腸内細菌群と痩せ体質とは実はすごく密接な関係があるんです。
――腸内細菌1つでそんなに違うものなんですか?
信じられないかも知れませんが、これは実際カロリーの吸収量が上がった[2]りマウスも痩せ体型に変わった[3]り多くの研究報告が挙がっています。
でも、そもそも人間の体は食べ物の栄養を腸で吸収して成り立ってますから普通に考えて影響度はかなり大きいですよね。
実際そういう太った方は腸を触るとガチガチだったりしますし、腸活で私やお客様自身が前より健康的に太りづらくなってくるのも体感としてあります。
――腸内細菌と言えば最近ヤクルト1000が流行ってますけど、他にもメリットがありそうですね。
そうなんです。腸内で善玉菌が増えると痩せるのはメリットの1つで、他にも免疫UP、疲労回復、睡眠の質が改善したりいいことづくめです。
腸内細菌で改善されるのは…
- 肌荒れ・体臭・口臭
- 疲労・肥満・不眠
- うつ・アトピー・アレルギー
特に女の方ならお通じのお悩みはほぼ解消されますし、単純に老廃物が体に留まる時間が短くなると肌荒れも改善されます。これが一番重要と言えば重要かもしれないですね。
腸内環境セルフチェック
――腸内環境が乱れてるかは検査でわかるんですか?
方法は色々あると思いますけど、セルフチェックで一番わかりやすいのは「便が出てるか出てないか」ですね。
腸内環境が整っていればバナナ1~2本分が1日3回出るものなので、もしそうでなければ腸活を考えてみてもいいかもしれません。
――確かに女性で1日バナナ1~2本分出る方はかなり少なそうですね…。
いえ、1日でバナナ1~2本分ではなく1回でバナナ1~2本分なんです。「そんなに食べてないのにどこに溜まってるの?」って私も疑問に思うことがあるんですけど。
例えば12時間ファスティング後の次の日とかは朝だけで3回出ることもあったりして結構わかりやすいので、「嘘でしょ」って思われる方はぜひ一度試してみてください。
○【ポイントは適切な酵素選びと期間】ファスティングのメリットと正しいやり方
https://bellemoi.jp/beauty/9683/
痩せ菌を増やすためには
――バクテロイデスを増やす方法とかはあるんですか?
基本は発酵食品や食物繊維を多く摂って腸内の善玉菌を増やしてあげることが一番の近道ですね。
- 有用菌を直接腸に届ける腸活
食べ物では納豆やキムチ、チーズをはじめ発酵食品全般。専門用語ではプロバイオティクス。 - 有用菌に栄養を補給する腸活
食べ物では食物繊維全般やオリゴ糖。専門用語ではプレバイオティクス。
バクテロイデスは腸内細菌群では善玉菌でもなく悪玉菌でもなく日和見菌という分類になっています。
この日和見菌は腸内が善玉菌優勢なら善玉菌に、悪玉菌優勢なら悪玉菌に味方する性質があるので「日和見菌のバクテロイデスを味方につけてあげましょう」というイメージですね。
痩せ菌を増やす食事の取り方
――太っている方だと食事制限とかも必要になりそうですね。
いえ、私は酵素栄養学を推進してるのでドカ食いしていなければ
- 朝:食べない or サラダやフルーツ
- 昼:普通に
- 夜:ちょっと控えめを意識
で後はまんべんなくいろんなものを食べつつお味噌汁とか漬物とかプラスで発酵食品を摂るようお伝えすることが多いですね。
1食の中で発酵食品×発酵食品できれば尚良しですが、1日の中で発酵食品と食物繊維を1品ずつプラスしてあげるだけで十分です。
――食事量は減らさなくてもいいんですか?
はい。朝もバナナやきゅうりとか安くて手軽な食品で全然大丈夫なので、誰でも簡単に実践しやすいかなと。
効果なさそうに思えるかも知れませんが、ちょっと変えるだけで体重も体調も結構変わってきますよ。
効果が出るまでの期間は
――腸活はどのくらい続ければ良いんでしょう?
菌はただ増やすものではなく育てていくイメージなので最低でも3ヶ月は続けて欲しいですね。
糖質制限みたいな極端なダイエットでガンと減らすものではなく体質改善なので時間はちょっとかかると思ってください。
でも、その分リバウンドしにくいのはメリットなので何年もダイエットを続けていてうまく行ってない方にはすごく向いてますね。
――ダイエットってどうしても上手く行かなくて繰り返してしまいがちですよね…。
そういう方はうちでも扱っているんですけど痩せ菌が増える酵素とか、そういうものを食事の前後に一緒に摂ってあげたりもいいと思います。
やっぱり「痩せたい!」って方に「3ヶ月頑張って」では気長な話なので、その点1ヶ月くらいで体感が得られるのは良いのかなと。
――酵素ですか?
そうですね。酵素は一言で言うとマルチビタミンの高級版みたいなイメージでいいと思います。
やっぱり腸活に効く全部の栄養を食べ物から摂るのって難しいことなので、食生活でできるところは自分でやって足りない部分はサプリメントとかで補うのも決して悪いことではないんです。
それでも食べ過ぎてしまう方はルールを決めて「まず食事は必ずテーブルでとるようにしましょう」とか、そういうところから始めてみるのもいいかもしれませんね。
デブ菌を増やす生活習慣にご注意
――逆にヤセ菌を減らすNG習慣とかはあったりしますか?
バクテロイデスと同じ日和見菌の一種にファーミキューテスと呼ばれる菌がいるのですが、こちらは逆のデブ菌として知られています。
なので、腸内環境が悪化すると腸内細菌全体が悪玉菌の味方をするようになってしまって、太りやすく、疲れやすく…と先ほどとは真逆のことが起き始めてしまいます。
食生活に限って言えば悪玉菌が一番増えやすいのは食品添加物の影響が大きいですね。
――ジャンクフードの脂質が~とかではなく食品添加物なんですか?
はい、詳しいことはわかっていないのですがジャンクフードが消化器に負担をかけるかけないではなく、自然界にないケミカルなものはなぜか善玉菌にはあまり好ましくなく悪玉菌を増やすんですよね。
一方、今まで人間が食べてきたものの中でも特に発酵食品ではなぜか善玉菌に好ましい影響があります。
なので、極端な話100%オーガニックのジャンクフードであればそれはセーフになるんです。
――なるほど。でも、そうなると日本ではなかなか食べるものが少なくなりそうですね…。
一番大事なことは添加物を取らないことではなく続けることなので、そこはあまり難しく考えなくて大丈夫ですよ。
例えば出来合いの食べ物を買う頻度を1回減らして自炊してみるとか、そのくらいのことから始めてみてください。
食べ物以外の生活習慣でも
後は当たり前のことですけど、やっぱり結局ストレスを溜めない健康的な生活をしてあげるのが一番お金もかからず健康にもいいですね。
腸活と言うと腸だけにフォーカスしがちですが、全身は全体が1つにつながっているわけで夜更かししないで夜寝る、適度に運動する、とかそういうベースとなる生活習慣はやっぱり腸内環境を整える上でも欠かせません。
最後にもう一言だけ…
ちょっと話は逸れますが、日本って世界的には禁止されている保存料や添加物も結構使えてしまう国で「食べ物ですかそれ?」って思うようなものも結構多いんですよね。
この食品添加物の入っている入ってないは食べ物の裏にも全部書いてあることなので「これって何が入ってるんだろう」と入ってるものをチェックしてみるのも簡単&無料でできる腸活の一種なのでおすすめですよ。
料理を自分で作るとかはすごく面倒なことですけど、こういうちょっとしたポイントにもヤセ体質になるためのヒントはあるので、まずはできる範囲のことからぜひ取り組んでみてください。
参考文献