夏に向けて特に露出が多くなる背中やデコルテ、二の腕などの部分はある程度”仕上げて”おきたいものですが、痩せるのはなかなか難しいし続かないものですよね。
そんな方におすすめなのが運動強度が低くてもシェイプアップできるヨガです。その効果から実際のメニューまでヨガトレーナーの五十嵐由奈さんに詳しく教えてもらいました。
夏に向けてシェイプアップしたい部位にヨガが効く?
――背中やデコルテ、二の腕をヨガで部分痩せみたいなことができるんでしょうか?
部分痩せというもの自体は基本的にはないと考えていただくのが良いのかなと思います。
例えば、「腹筋だけをし続ければウエストだけが細くなる」と思われるかもしれませんが、全身の筋肉は必ず連動して動いてしまうものなのでそれでも全身バランス良く痩せたり締まったりしていくものなんです。
本当にお腹の筋肉だけしか使わなかったとしても、それは「1箇所の筋肉しか使えていないカロリー消費の効率が非常に悪いトレーニング」になってしまうので“結果が出ることはない”ということになってしまうんですね。
――ということは実際の効果は細くするというよりかは細く見せる的な?
いえ、ヨガによる効果は主に2つあって1つは今言っていただいたトレーニングそのものによるシェイプアップですね。
そしてもう1つはむくみ改善です。例えば背中なら肩甲骨の動きを整えて老廃物を流してむくみが取れるので実際にスッキリきれいに見せることができます。
そういう意味では部分痩せ的な効果があると言えるのかもしれませんね。
――なるほど、シェイプアップ効果はちゃんとあるんですね。デコルテや二の腕はともかく背中があまりピンと来ないのですが…?
そう思われるかもしれませんが、実は背中は猫背の方って結構多くて女性の方でもかなり目立つ印象ですね。
猫背になっていると後ろ姿がすごく老けて見えてしまったりしますが、これを鍛えたり姿勢を整えてあげると若々しく見えるだけでなく胸の広がりも変わってきます。
するとバストアップやデコルテがよりキレイにくっきり見えたりといった相乗効果もあるので実は背中へのアプローチって非常におすすめなんですよ。
――意外と目に見えて変化が見えやすいんですね。
はい、実際かなり違いが出ると思いますよ。
敢えてヨガでシェイプアップする意味は
――ところで、トレーニングではなくてあえてヨガでシェイプアップなんですか?
はい、実はトレーニングはやればいいというものではなく悪影響になることもあって特に体のアンバランスを助長してしまうことがあります。
例えばヒールの方は脚の前側ばかりを使ってしまい後ろ側が緩んでる状態なので、トレーニングでそれをさらに助長してしまうと体のバランスやボディラインは崩れる一方になります。
でも、ヨガはいろいろな方向性から全身をストレッチしたり鍛えたりといったアプローチができるので体のバランスを取ったりシェイプアップにはすごく向いていると思いますよ。
運動強度はそこまで高くないから誰でもできる割には、ストレッチとトレーニングの両方の効果が全身に対して行える…といったイメージですね。
――体の重心のバランスはトレーニングよりもヨガの方に優位性があると。
そうですね。後はじっくり呼吸することで自律神経のバランスが整えられるので、その上で体が引き締まるっていうところも重要なポイントです。
トレーニングと違ってどちらかと言うとリフレッシュやストレス発散をしながらできるメリットがあるのかなと思います。
――確かに腕立て30回!とかよりもルーティンとかには落とし込みやすそうですね。
そうですね、日常的に無理なく毎日続けられるのがヨガなので継続もしやすいと思いますよ。
動画で見る部分痩せヨガ
さらに効果を高めるために
――取り組む上でのポイントみたいなものはあったりしますか?
そうですね、結局得意な動きばかり練習したり鍛えたりしがちなのであえて自分の苦手な部分をやってみたりとかそういう風に課してみるのが良いとお見ます。
例えば以下のような太陽礼拝や月礼拝みたいな全身を使うメニューを1回一通り全部やってみて「この動き苦手だったな」という動きを知って練習してみるのもいいですね。
「前屈が苦手なのか」「反らせる動きが苦手なのか」など自分の体の弱点を知ってみましょう。
太陽礼拝のポーズ
月礼拝のポーズ
ただ、この時注意なのは得意な動きを自分で勘違いしてしまうことですね。
例えば反るときは胸から反らせるのが正しい体の使い方なんですが、反り腰の方は全部腰でカバーしちゃって反るのが得意と思いこんでしまったりしがちです。
それは得意なんじゃなくて実は体の使い方が間違ってるだけ…なんてことも結構あります。もしやってみて痛みや違和感があるようなら疑ってみた方が良いかもしれません。
なので整体などで「第三者から苦手な部位を直接教えてもらう」みたいなこともありだと思いますよ。
――触ると筋肉量の左右差がわかったり?
いえ、例えば
- 前後左右の骨盤の傾き
- 左右の足の長さの違い
- 仰向けになったときの足先の向き
- 立った時に肩の高さが左右で違わないか
など第三者的には結構そういうパッと見でわかるポイントもあるので、そういうのを見ながら体の歪みを判断していく形ですね。
――そういうポイントがセルフチェックできると確認しやすそうですね。
そうですね。ただ、鏡の前でチェックしても意外と自分で自分の体を知るって結構難しいものです。
そうするとどうしても俯瞰で見れず目に見えて悪い部分だけを修正しようとしてしまうので全体のバランスは崩れたままで結局体も使えないままになってしまいがちです。
なので私もよくクラスでは人に撮影してもらったり撮影してみてそれをチェックするよう指導しています。その方が二度手間っぽく思えるかもしれませんが実は近道なので結構おすすめですよ。
- 頭や肩が前に出ていないか
- 猫背や反り腰になっていないか
- 重心が前後左右にぶれてないか
- 肩や骨盤の位置も前後左右で差がないか
このとき上記のようなポイントをチェックしてみると自分の体の弱点もわかってくると思います。
後はポイントは上半身からではなく地面についている部分から順に修正していくと全体の重心やバランスも取りやすくなりますよ。
最後に…
自分も昔は良く10cm近いヒールを履いていたりしたのですが、その時はやっぱり前重心になって太ももは太く反り腰になって猫背という状態でした。
でもそれを直してあげることで全身がシェイプアップされて今では正しいバランスでスッキリするようになりました。
普段の生活でのアンバランスは誰しも少なからずあるものなので、一度セルフチェックしてみて左右差だけでもチェックしてみて欲しいですね。
ぜひ夏に向けて服で体型をカバーするのではなく体型を整えて自分の着たい服を着れるようになるよう頑張ってみましょう。