【10分で疲労回復】寝る前簡単、プロが教えるぐっすり眠るためのおすすめストレッチ

國府谷沙織
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國府谷沙織ヨガインストラクター

寝る前のストレッチは覚醒につながって逆効果で良くない?いいえ、そんなことはありません。

体解しは最高の入眠・熟眠にはもはや不可欠、ということでヨガインストラクターの國府谷沙織さんに睡眠の質を高める寝る前の10分習慣について教えてもらいました。

寝る前にストレッチは意味あり?なし?

寝る前のストレッチは入眠・熟眠改善に不可欠

――早速ですが、寝る前のストレッチってやった方がいいものなんでしょうか?

はい、身体を解してあげると血流が良くなって疲労回復にも効果があるのでメリットしかないですね。

肩・腰の痛みや足のむくみは座り仕事や立ち仕事で血流が悪くなると起きるものなのですが、日中の疲労を次の日に残さず回復してくれるので熟睡感も違うと思いますよ。

――リラックス効果とかではなく、思いのほか血流が大事なんですね。

もちろんそれも大事ですが、やはり血流が悪いと内臓や身体の末端まで血液が行き届かず酸素・栄養素が足りない状態になってしまうんです。

免疫も下がるし心筋梗塞も起こりやすくなってしまうので、全体の巡りを良くして副交感神経を優位にしてあげることで健康な身体を目指せる、というイメージですね。

――副交感神経を優位にできるのがストレッチの強みと。

そうですね、日中傷ついた身体を回復させるためには副交感神経を優位にする必要があるんですけど、実は人が自分から副交感神経を優位にできるのって睡眠・入浴・ストレッチくらいなんです。

交感神経優位な状態が続きがちな方はしっかり寝て朝起きたつもりでも

  • どうにも疲れが取れない
  • なんだか体調が悪い
  • イライラしたり精神が不安定

といったことが起こりやすいので、上記の症状に心当たりのある方ほどストレッチはおすすめです。

特に寝る前にしてあげると睡眠に向かって副交感神経優位へ切り替えもできるので、それこそ1日5分やるだけでも寝付きや熟睡感が全然違うと思いますよ。

体調に不調がある方こそストレッチで回復を

――寝る前に動くと逆効果と言うか…体温が上がったり逆に目が覚めて寝付けなくなったりしません?

トレーニングだと交感神経優位になってしまうんですけど、寝る前にやるストレッチで交感神経が優位になることはまずないので安心して大丈夫ですよ。

仮に汗ばむくらい頑張ってやったとしても、それはただ固くなってる筋肉を解して代謝が上がって体温が上がっているだけなので全然問題なしです。

ほんの少しの時間でも体の休まり方は全然変わってくるので、もし家に帰ってきたとき身体に疲れを感じてるようなら、その日はぜひケアをしてあげて欲しいですね。

3分からでもOK、簡単ストレッチ動画

寝る前のストレッチを行うとき、まず一番のポイントは必ず呼吸を意識して行うことです。

ただ動きだけ真似をしても呼吸をしないストレッチでは全く効果がなくなってしまうので、呼吸はぜひ真似してやってみてください。

寝る前におすすめのストレッチメニュー

座り仕事でも立ち仕事でも結局みなさん足には疲労が溜まりがちなので、最低限足腰と肩周りだけでもケアしてあげれば後は大体何とかなります

すごく簡単な動きですが腰痛、頭痛、肩こり背中の凝りまで幅広く効きますし、女性なら老廃物を流してむくみの改善にも役立ちます。

疲れてるからこそ「1秒でも早く長く寝たい」と思われるかもしれませんが、次の日に負債を残さないためにもぜひ試してみてください。

夜なかなか寝付けない人は…

夜寝付けない時のポイントは腹式呼吸

――考えちゃって寝れない方には瞑想も良いと聞くのですがどうなんでしょう?

瞑想ももちろん全然ありなのですが、寝るだけだったらもっとシンプルに腹式呼吸で十分じゃないかと思います。

瞑想って結構難しくて、特に初めての方だと逆に頭の中に考え事がどんどん出てきちゃったりモードに入るのも難しかったりするので。

なので最初ならとにかく「吸う」「吐く」だけに意識を集中するだけで。実は瞑想の練習も入り口はここからなので寝ながら瞑想してるとも言えるかもしれませんね。

――そんな簡単な方法で眠れるんです?

はい、もう少し詳しくお伝えすると

  1. 布団の上でお腹の上に手を置いた状態で
  2. 腹式呼吸でゆっくりお腹を膨らませて
  3. ぺったんこにしていく

で、この②~③を10呼吸くらいして繰り返す頃にはだいぶ副交感神経優位になっていると思います。

このとき「お腹が膨らんでるな…」「吐いてしぼんでいくなー」とひたすら呼吸に集中してそれを観察するイメージです。

日中ではまず行わないような深い呼吸ができるので、そのまま寝落ちしてしまう人も多いと思いますよ。

――リラックス系の音楽とも相性が良さそうですね

そうですね、集中できないならリラックスできる音楽を流してみるのも全然ありですし何ならかけたまま寝落ちしちゃっても大丈夫です。

ただこれはかけて集中できないならいらないし、かけて癒やされるならやっても良しという補足的な要素にはなりますね。

今すぐできる!その他の熟眠習慣

水は全身の巡りを改善する便利アイテム

――他にも日常生活で気をつけた方が良いことなどはありますか?

自律神経のバランスを整えるために食事・運動・睡眠の生活習慣は見直して欲しいかなと思いますが、誰でも比較的簡単に取り入れやすいのは水かなと思います。

水って飲みすぎるとむくむと考えてる方も多いのですが、飲まないとそもそも原因になっている老廃物を流せないので絶対に飲んであげた方が良いです。

他にも血液も酸素(栄養素)も半ば強制的に全部流しやすくできるので、こまめに意識したいポイントですね。ストレッチ中に飲むのも効果が高まるのでおすすめですよ。

――やはり1日2リットル以上?

そうですね、大まかには1日2リットルくらいです。厳密には計算方法があるので計ってほしいですが、そこまで誤差もないのではじめは2リットルでも良いと思います。

ただし、あくまで「水を2リットル」という話でお茶やコーヒーなどをメインにしてしまうとあまり意味がないので要注意です。

というのも、水に何かしら混ざりものがあると腎臓で濾過する必要があるのでこれが臓器の負担になってしまうんですね。その点水は濾過がいらない分だけ巡りも早くて体にも良いです。

ただ、水分をしっかり取っても夜トイレに起きてしまうようでは本末転倒なので、寝る前には必ずトイレに行くようにしてください。

ストレッチは正のスパイラルへの第一歩

体調不良の借金を返済して正のスパイラルへ

質の良い睡眠をとると

  1. 前日の疲れが抜けてスッキリ目覚められる
  2. 日中も活動的になり、集中力もUP
  3. 夜にしっかり睡眠を欲するように

と正のスパイラルを生み出すことができ、この繰り返しこそが生活リズムを整えて日中の生活の質を高めることにもつながっていきます。

つまり、ただその日の疲れを取るだけでなく、来週、来月の疲れを取りやすくするための体作りも兼ねてるんですね。

しかもこの疲れは1日3分ほどのシンプルな動きでも簡単になくせるものなので、それを自分のケアをサボって毎日○○が痛いと言ってるのは本当にもったいないです。

マッサージを受けたり薬をもらったりもいいですが、それは結局一時的なもので自分の体を帰れるのは自分の体と呼吸だけです。

自分で自分の体をケアしてあげるのが一番効率的で根本的なので騙されたと思ってぜひ試してみて欲しいですね。