「おすすめを買うだけ」は辞めよう!自分の肌質に合った化粧水の選び方

箱崎かおり
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箱崎かおり理系美容家

化粧水を使う意味とは

化粧水は”肌の水分を補ってくれる商品”というイメージが強いですが、実は化粧水でつけた水分は普通に揮発してしまうものでそのような効果はありません。

でも、当たり前ですが化粧水にもキチンと役割があって、つけることでNMF(Natural Moisturizing Factors:天然保湿因子)やグリチルリチン酸ジカリウムなどの水に溶かしやすい美容成分を補えたり、次に使う乳液(クリーム)の肌触りを良くしてくれるメリットがあります。

イメージ的には保湿するというか保湿成分を残したり乳液の使い心地を良くしたりする目的が強いということですね。

死んだ細胞にアプローチしても意味がない?

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たまに「肌表面の角質層は細胞としては既に死んでいるんだから、化粧水や乳液を使って潤わせても美容的な意味はない」という方もいらっしゃるのですが、結論から言うと美容効果はあります

確かに角質層は死んでいる細胞ですが、何もしていないわけではなくバリア機能というとても重要な役割を担っていて、常に外からのダメージを防ぎつつ体の水分が外に流出しないよう防いでくれているんです。

このバリア機能が働いてはじめて肌のターンオーバーが正常な周期で行われるので、死んだ細胞とはいえコンディションを整えてあげることはとても大事なことですね。

しっとり?さっぱり?化粧水の違いについて

化粧水はよく「乾燥肌の方はしっとり」というイメージがありますが、その違いはとろみをつける増粘剤の量の差であったりします。

実際に処方を見ればわかるのですが、同じシリーズであれば基本的な美容成分に大差はないので、これは肌質に関係なく使用感の好きなものを選んでしまって問題ありません

ただ、結果的に乾燥肌の方はしっとりタイプの使用感が好きな人が多くはありますね。

肌タイプ別のおすすめ化粧水

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化粧水は各メーカーごとに含まれている美容成分が違うので選び方もいろいろですが、美容成分の見極めはなかなか一般の方には難しい部分ですよね。

なので、化粧水の代表的なタイプを以下にいくつか挙げてみたので、こちらを参考にご自身のお悩みによって使い分けてみてください。

導入化粧水

化粧水のなじみを良くするために化粧水の前に使うのが導入化粧水です。

成分的には導入作用のあるエタノールなどが含まれていたりしてブースター的な役割が期待されますが、私自身は「必要なのかな?」と思う部分もあってあまり使ってはいないですね。

敏感肌の方はエタノールに過敏な方もいると思うので避けた方が良いかもしれません。

また、導入化粧水に限らずですがアスコルビン酸などのビタミンC誘導体も敏感肌には刺激になりやすいので、やはり注意が必要ですね。

保湿化粧水

保湿化粧水は糖類のような高い保湿成分が含まれている化粧水のことです。

一応乾燥肌やバリア機能が弱い方向けの化粧水になりますが、そういう方には化粧水より乳液やクリームを重視してほしかったりもするので特にマストというわけではありません。

また、保湿化粧水に限らずセラミドが入っている化粧水は保湿効果が非常に高いので乾燥肌の方には一番オススメですね。

美白化粧水

美白化粧水は他の化粧水と違ってカテゴリ的には医薬部外品という扱いになります。

その名の通り美白有効成分が入っていて医薬部外品認証を受けている商品なので、美白効果を求める方にオススメの化粧水ですね。

ニキビ化粧水

ニキビ化粧水も美白化粧水と同じ医薬部外品カテゴリの化粧水ですが、ニキビ肌の人にオススメ…というわけではありません

皮膚の毛穴面積は1~2%程度のため、毛穴中で繁殖しているニキビ菌だけをターゲットに殺菌することはできず実際は皮膚表面まで殺菌してしまいます。

顔の皮膚にはもともと菌がたくさんいて始めてバランスが保たれているので、個人的には殺菌=良いとは一概に言えないと思いますね。

思春期の方で皮脂が過剰分泌してて菌がいっぱい出てきて仕方ないような場合には効果があるかもしれませんが、それ以外の人は使わない方が良いでしょう。

それよりもニキビにはアスコルビン酸などビタミンC誘導体が含まれている化粧水が有効なので、ニキビ肌の人はビタミンCを重視して選ぶ方が断然オススメです。

収れん化粧水

たんぱく質収れん作用のある成分が含まれている化粧水で、肌や毛穴がキュッと引き締まったように見える効果があります。

引き締まると肌は白く見えるので、視覚的な美白効果を狙って使うこともできますが、この効果は一時的なものではあるので気分的なものが大きいかとは思いますね。

拭き取り化粧水

コットンに出して拭き取るようにしてつけていくタイプの化粧水です。

エタノールが若干入っていて清涼感があったり角質を軟化させる角質ケア成分が入っていたりしますが、拭き取って使う性質上、美容成分がたくさん入れられず少ない傾向にはありますね。

コットンで拭き取るだけで角質ケアできるのはメリットですが、敏感肌の方はコットンの摩擦でも過敏に感じる場合があるのであまりオススメではないです。

化粧水を選ぶ時のポイント

自分に合ったおすすめ乳液の選び方|理系美容家 箱崎かおり8

各メーカーの各商品によって含まれてくる美容成分が異なるので、美白したい人は美白化粧水を、保湿したい人は保湿化粧水を…と自分の目的に合わせて使ってあげるのが良いと思います。

ただ、化粧水や乳液の効果を実感するためには最低でも1~2ヶ月は使い続ける必要があるので、まず一番には継続するために「使い心地が好きか」「価格的に無理がないか」を重要視して欲しいですね。

また、化粧水が自分の肌に合うかどうかはすぐに判別可能なので、できれば店頭のテスターを前腕内側に少し塗ってみてピリッとしないかパッチテスト後に購入した方が失敗は少ないですね。

化粧水の正しい使い方

「おすすめを買うだけ」は辞めよう!自分の肌質に合った化粧水の選び方31

各メーカーの商品ごとに使い方が若干異なるので、一概に正しい使い方というのはありません。

その辺りはキチンと製品の容器か外箱の裏面に「洗顔後に優しくパッティングしてください」「朝晩で1日2回使ってください」といった具合でメーカー側が一番効果的に使う方法を書いてくれているので、こちらに目を通しましょう。

私たちはメーカーからのラブレターなんで呼んでいたりもするのですが、実は結構良いことが書いてあるので読んでおくと化粧水に限らず意外な発見があるかもしれませんよ。

こんな使い方は実はNG

ただ、たまに化粧水を使うときバチバチ叩いている人を見かけるのですが、叩いて浸透することはないのでこれは絶対に辞めた方が良いですね。

化粧水は皮膚一番外側にある角質層(ラップ1枚分の厚さ)に効かせている商品なので、叩かなくてもスッと塗り拡げるだけで十分浸透するんですね。

どうしても触りたいのであれば、頬を包み込む動作をやってあげた方がハンドプレス効果によって肌質が向上するので[1]、ぜひこちらをやってあげてください。

最後に…

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繰り返しになりますが、化粧水や乳液と言った商品を使うときに一番大事なことは同じ商品を長く使うことです。

効果を求めて肌タイプやお悩み別で選ぶのも大事ですが、せっかくなら肌触りや匂いといった嗜好も加味して自分の好きな化粧水を見つけて欲しいかなと思います。

参考文献
  1. スキンケア時に肌に触れることで得られる”心地よさ”と脳の血流変化量との関連を確認