ナイトブラはバストケアに役立つ便利なアイテムですが、最近巷で離れ乳が治るとも言われているようです。
果たしてこれは本当なのか、ランジェリースタイリストの中津亜美さんに離れ乳の原因から対策まで詳しく教えてもらいました。
そもそも離れ乳の原因は何なのか
――早速ですが、何で離れ乳は起きてしまうんでしょうか?
これはもともとの骨格や遺伝の影響も多少はあるんですけど、そういった方は意外と少なくて大体の原因は以下の3つですね。
- クーパー靭帯が傷んでいる
- ブラの選び方・着け方が良くない
- 大胸筋や首・肩・背中が凝っている
①クーパー靭帯が傷んでいる
クーパー靭帯はバストの中に張り巡らされた靭帯のことで、バストを美しくキープするために重要な役割があります。
しかし、この靭帯は重力によるダメージの蓄積で年々少しずつ伸びていくもので、加えて一度伸びてしまうともう元には戻らない性質があります。
すると離れ乳はもちろん垂れ、削げ、萎みといったあらゆるバストのお悩みへとつながっていってしまうんです。
――ということは今離れているバストはもう戻らない?
そんなことはありません。確かに靭帯が元に戻ることはないのですが、それでも②や③の原因をしっかり正すだけでもバストは全然見違えると思いますよ。
――安心しました。でも重力の影響を受けるものなんですね。
はい、そうですね。そしてこれは年齢よりも普段どんな生活をしてどんな下着を着けているかの影響が大きいものです。
極端な話、ブラトップで毎日運動していれば20代でも垂れ・離れ乳が起きますし、他にも萎んだり削げたりといったエイジングの定番の悩みもセットになってまとめて出てきてしまうかなと思います。
――エイジングのチェックポイントはありますか?
出産経験がある場合は年齢に関係なく、必ずケアしてあげてほしいですし、歳を重ねるうちに「前よりバストの位置が下がってきた気がする」「弾力がなくなったかも」と感じるようなら要注意です。
上記の変化を感じてきたら、本格的なバストケアを始めた方が良いかもしれませんね。
②ブラの選び方・着け方が良くない
ブラはエイジングを防ぐ上ですごく重要なポイントで「正しい位置に着けられてるか」「サイズがちゃんと合っているか」がとても大事です。
着け方を間違えると、本来のブラの機能性を発揮しきれないですが、残念ながら正しいサイズのブラを正しく着れてる方は2割もいないと言われています。
ブラのフィッティングを受けたことがない方はまず、店員さんにお願いしていただく方がいいので、ハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、一番大事なポイントなのでぜひ試していただきたいなと思います。
――やっぱりノンワイヤーじゃダメですか?
いえ、ノンワイヤーのブラも今は機能性がどんどん進化していて、サポートのあるタイプならワイヤーのブラとほぼ差はありません。
1つ挙げるとすれば、バージスライン(バストの下側のライン)がくっきりときれいに見えるのが美バストの大事な条件なのですが、ノンワイヤーだと面で支える分バージスラインがぼやけてしまうことはあります。
バージスラインをくっきりとメリハリをつけられるのはワイヤーの大きなメリットなので、ワイヤーブラも頻度高く取り入れて欲しいです。
――それは知りませんでした…。あと歳を重ねるとブラが合わないことが増えませんか?
バストは歳を重ねると乳腺が衰えて脂肪の割合が増えていくのでだんだん柔らかい質感になっていきます。
するとハリがなくなって体型が変わってなくても「キツくなった」「違和感がある」といったことが起こります。
このときはアンダーを上げたりブラのサイズを見直すだけではダメで、ブラの種類そのものを変えていく必要がありますね。
――ブラの種類を変えるとは…?
10~20代ですと、どんなタイプのブラでも比較的問題なく着けることが出来ますが、30代後半にもなるとサイズに変化はなくても、今までのブラがキツく感じることがあります。
なので、アンダー上側が締め付けがなかったり柔らかいワイヤーで直接当たらないタイプだったり、ブラの作りそのものがエイジングに特化したタイプがおすすめです。
今の自分の身体・バストに合ったブラを選びましょう。
③大胸筋や首・肩・背中が凝っている
また、意外かもしれませんが筋肉や姿勢も①②と同じくらいバストが変わる大きな要素です。
特に背中側の筋肉の凝りはバストとは切っても切れない関係があって、肩甲骨をほぐすだけでも変化がある方はいらっしゃると思います。
肩甲骨って意識しないとなかなか動かさない部分なので1時間おきに肩を回してみたり積極的に動かしてあげる習慣を作ってあげてほしいですね。
――今の時代デスクワークとかでほとんどの方が凝ってて猫背だと思うので、結構改善の余地がありそうですね。
そうですね、筋力も低下している方が多いので鍛えてあげるのももちろん大事です。まずは簡単にできる背中からアプローチしてみてください。
セルフケアですと、フォームローラーやテニスボールを背中をほぐしたりと、簡単に出来るのでぜひ試してみてください。
――凝りを解してバストが改善なんて一石二鳥ですね。
そうですね。日々の積み重ねが大切になってくるのでコツコツ続けてほしいなと思います。
後は体の凝りって意外と自分では気づけていないことも多いので、状態を知るためにも一度プロにお願いするのもいいと思います。
離れ乳がナイトブラで治るって本当?
――ちなみに巷ではナイトブラが離れ乳に効くという話もあるのですが。
ナイトブラを着けるだけで離れ乳に効く、ということはありません。ただナイトブラを着けることはエイジングケアに効果的です。
寝ている時のバストを安定させてくれますし、バストクリームをつかっている場合は、ラップ効果でバストの質感アップも期待できます。
バストの肉質が柔らかく変化していく30~40代以降の方は特におすすめです。
――ナイトブラを使う使わないの影響は結構大きいですか?
いえ、ナイトブラは誰もが着けないといけないマストのアイテムではないと思っています。
スキンケアに例えると化粧水・乳液がマストだとしたら美容液的な位置づけのイメージなので、心地よいと感じたら、ぜひ毎日取り入れてほしいです。
――そうなんですね。離れ乳には真ん中が短いタイプが良いというのは本当ですか?
真ん中が詰まっていると着用時にシルエットがグッと良くなることはありますが、それによって離れ乳が改善されるというわけではありません。
シルエットをきれいに見せるために着けるのはとてもいいと思います。
――サイズが合わないなら着けない方がいい?
SML展開は、サイズ選びは簡単ですが、「アンダーがピッタリなのにカップがカパカパする」「アンダーは緩いがバストが溢れる」などもあるので、必ず試着したり、返品交換が可能な商品から選んでいただくといいかと思います。
サイズが合わないなら、無理してつけない方がバストにはいいです。
○卒乳後バストの下垂、たれ、しぼみは防げる!専門家に聞くナイトブラ選び
https://bellemoi.jp/health/5784/
その他にも離れ乳の改善に役立つ対策
――ブラや肩甲骨以外にも離れ乳改善のためにできることはありますか?
離れ乳の改善というよりバストケア全般の話になりますが、栄養はとても大事です。
特にタンパク質を自分の体重g、お水を自分の体重×30ml、鉄分を意識して取るようにするとバストにも変化を感じるようになると思います。
もちろん内側からのケアなので、3ヶ月以上は継続していく必要がありますが、大きな違いが出るので個人的にはおすすめです。
――前回教えていただいたマッサージはした方がいい?
そうですね、乳腺は刺激を受けることで周りに脂肪を蓄える性質があるのでマッサージもおすすめです。
- お風呂上がりにナイトブラ付ける前にクリーム付けてバストをさすってあげる
- 朝は昼用ブラを着ける前に同じことをやってあげる
- もし時間があればついでに軽く大胸筋周りをほぐしてあげる
くらいの本当に簡単なもので構いません。
全体的に地道な取り組みが多いですが、毎日続けていくことできれいなお椀型のバストへと変化が見込めるので、ぜひ試してみて欲しいですね。
最後に…
私も妊娠前後はブラトップだけで過ごしていたので、いざ授乳が終わってみたら離れだけじゃなくてあらゆる全ての悩みが起こっているような状態でした。
でも、今は日々のケアの甲斐もあって産後にあったようなバストの悩みもだいぶ解消されています。
今お伝えした下着選びや姿勢、栄養でも十分回復・改善は見込めるものなので諦めずにぜひバストケアにチャレンジしてみてください。
またスキンケアと同じで、バストも変化を感じてからケアをするよりは、日頃のケアで予防をすることが重要になります。
バストのお悩みが少ない20代のうちから、お伝えしたことを実践していただけるとよりいいかと思います。