1日の疲れをリセット!立ち仕事の辛いふくらはぎの痛み・むくみを改善する方法

國府谷沙織
written by
國府谷沙織ヨガインストラクター

「立ち仕事のつらい痛み・むくみは簡単に改善できます」と語るのはヨガインストラクターの國府谷沙織さん。

改善のポイントはストレッチで、しかも呼吸が不可欠とのことですが…効率的に疲れを取る方法について教えてもらいました。

痛み・むくみが起きる仕組み

立ち仕事で起きるふくらはぎの痛み・むくみの正体

――立ち仕事ってほんとにふくらはぎがパンパンになりますけど、あれって一体なぜ起きるんでしょう?

疲れは「たまる」と言いますけど、その表現の通り立ちすぎで血流や水分など全身の体液の流れが滞って悪くなってしまっているのが大きな原因です。

そういう箇所には身体の老廃物が溜まってくるんですけど、すると疲れ・痛み・むくみといった形で症状が現れてくるんです。

筋肉や腱の損傷が起きてるわけではないので、実はその老廃物をストレッチで流してあげるだけで軽減されていきますよ。

――そうなんですね。でも、同じように使っている太ももがそこまで疲れないのは?

ふくらはぎは心臓から遠いので、元々ポンプがはたらきにくくどうしても流れが滞りやすい部位なんです。これは手足が冷えやすいのと同じイメージですね。

しかも立っている時は重力の影響も受けるので老廃物がさらに下方向の末端にたまりやすくなって、ふくらはぎが痛んだりむくんだり…となるわけです。

逆にもし太ももに疲労を感じるようだと、ふくらはぎの状態が悪くなりすぎてる可能性があります。最終的には腰にまで症状が来るので早めにケアしたいですね。

――なんて恐ろしい……。ケアにはストレッチが一番いいんですか?

はい。正しいストレッチには筋肉をとても効率的にほぐす効果があるので、これだけで血流が良くなって全身の体液循環が改善していきます。

特にふくらはぎは第2の心臓とも言われてますから伸びしろも大きくて、お客様からも「今は1日立ち仕事でもそこまでむくまない」「次の日には疲れが取れるようになってた」と良く聞くので疲労回復の力も上げやすい部位だと思います。

【動画】ふくらはぎをほぐす簡単ストレッチ

立ち仕事の疲れを取るポイントは呼吸

皆さんストレッチは今まで学校でも教わってきたと思いますけど、疲労回復の上で意識してほしい一番のポイントは呼吸です。

筋肉は息を止めてる時に固くなり、吐く時に伸びる性質があるので、これを利用して伸ばす時に息を吐き、戻す時は吸うのが正しいストレッチ法になります。

この伸びる時に酸素や血流が一気に流れ出して老廃物を押し出してくれるので、ただ漠然と行うのとでは疲労回復の度合いも全然違ってきますよ。

ただし、このとき反動をつけると痛めたりケガする可能性が高いので、ゆっくり呼吸しながらじんわり伸ばしていくイメージで行ってみてください。

その方が筋肉もより柔軟性を増していきます。

ストレッチ編

自宅でできるストレッチは毎日テレビを見ながらでもできるような簡単なメニューをご紹介します。

これを1日5分行うだけでも体質改善につながっていくので、他にはもう何もいらないというくらい万能な動きになります。

自宅でもできる簡単ストレッチ

あとは、もしカウンター越しの接客なら足元にレンガくらいのサイズのブロックを置いてストレッチに使うのもすごくおすすめです。

心臓から一番遠い遠い足の甲とふくらはぎの両方にアプローチできるので、これを癖づけておけば1日の疲れ方も全然違ってくるはずですよ。

仕事中にするのは難しいかもしれませんが、行う時はなるべく呼吸への意識もお忘れなく。

オフィスでもできる簡単ストレッチ

体幹トレーニング編

また、疲れにくい身体を作るという意味では体幹トレーニングもストレッチと同じくらい重要です。

身体を中心から効率的に使えるようになると姿勢が良くなって身体への負担も減ってさらに疲れにくくなりますし、姿勢が良くなる=疲れにくい=身体も歪みにくいと美容にも健康にも良いことづくめです。

でも、歪んだ身体でトレーニングをやっても歪みがさらに増すだけなので、ストレッチとトレーニングで迷う時はストレッチを優先してあげてください。

自宅でもできる簡単トレーニング

オフィスでもできる簡単トレーニング

動なくてもできる痛み・むくみ対策も

ふくらはぎの痛み・むくみを簡単に改善する方法

①着圧ストッキング

――ちなみに巷では着圧ストッキングがいいとも聞くのですが、実際どうなのでしょう?

着圧ストッキングというか正しくは弾性ストッキングですね。物にもよるとは思いますけど私も使ってますしすごいおすすめですよ。

ストレッチだけでどうしても疲れが取れない時は履いたまま寝ると朝の足の疲れもスッキリします。

――締め付けると流れが良くなるとは不思議ですね。

これはちょうど雑巾を絞るようなイメージで、特殊な縫製で余分な体液を押し出して心臓へと戻してくれる効果があるんです。

と言ってもギュッとした感覚のものはNGで、手で軽くマッサージされてるような感覚で心地の良い程度の締め付け感のものがいいですね。

足の体液の流れを改善する効果があるストッキングで医療現場でも使われているものですが、選び間違えると逆に悪化することもあるのでご注意ください。

そういうサポート用品を日常的に取り入れること自体は全然いいと思いますよ。

②マッサージ

――となると整体とかでもストレッチと同じ効果がありそうですね。

マッサージはリラクゼーションにもなりますし、もちろんしないよりはした方が全然いいとは思います。

でも、そこにお金と時間をかけるならストレッチの方がはるかに効率良く改善できるので基本はストレッチがおすすめですね。

――そうなんですね。人にやってもらった方が効果が高いものと思ってました。

マッサージはどうしても身体の一番外側から押す形になるので点でのアプローチですし、ふくらはぎみたいな深部の疲れにはどうしても効きづらいところはあります。

ストレッチだと内側から外側まで全部の筋肉を広い範囲でほぐせるのでそこが大きな違いですね。

ただ、こちらも癒やし目的で通うならそれは全然ありだと思いますよ。

③睡眠

後はもう1つすごく大事な要素に睡眠がありますね。

ヨガインストラクターの私でも睡眠時間が短い日は「疲れが取れないな」って思うことがあるくらいなので、疲れを取る上で睡眠の質と長さはかなり大事です。

難しいかもしれないですけど、ついつい遅くなりがちな方は「早く寝るために1日の流れをこう持っていこう」みたい点を意識してみても良いかもしれません。

負のループから脱出するコツ

立ち仕事疲れの負のループを抜け出すためには

呼吸を意識したストレッチは本当に効果的でお客様でも「眠りの質が変わった」「翌朝起きたときの疲れの残り方が全然違う」とよく皆さんおっしゃいます。

でも、続けていれば効果が出て楽しくなってハマっていくんですけど、大変なのはそれまでの一番最初の期間なんですよね。

ヘトヘトで帰ってきて自分の時間を取りたい中でストレッチして早く寝るのは辛いと思うんですけど、やらなければ身体は一生重いままで自動的に回復することもありません。

身体だるいと気持ちも下がりますし、1ヶ月後2ヶ月後の自分に投資すると思ってまずは1ヶ月ぜひ継続してみて欲しいですね。